一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

他人頼みのツケ

2005-10-17 | M&A

楽天したたか戦略 対TBS、友好と攻撃
(2005年10月17日 (月) 02:58 産経新聞)

TBSは今週にも、企業評価委に楽天への対応の検討を打診する見通しだ。だが、TBS経営陣には身内のはずの七人で構成する企業評価委には、三木谷会長の提案に理解を示しそうな財界人らが含まれている。

西川善文・三井住友銀行特別顧問と岡部敬一郎・コスモ石油会長は、昨年からプロ野球経営に乗り出した楽天を応援する「経営諮問委員会」の委員でもある。同委員には奥田碩・日本経団連会長、牛尾治朗・元経済同友会代表幹事ら有力財界人も名を連ね、いずれも企業評価委員長の諸井虔・太平洋セメント相談役と親しい。三木谷会長は諸井委員長とも接触済みとみられ、企業評価委が開かれればTBS、楽天両社の多数派工作は激しくなりそうだ。

 というあたりがテレビなどでも言われていますが、素朴な感想として、

① 企業価値評価特別委員会が「身内」と思われちゃってる時点で既に買収防衛策の発動の公正さが担保されていないんじゃないか
② 特別委員会のメンバーが買収者と利害関係がある場合は審議から排除できるのではないか
③ ただ、特別委員会は商法上の組織でもないので、あらかじめ設置規則か何かで利害相反の場合の排除条項がないと、取締役の恣意で人選を左右した事になってしまうので、委員の交代は難しいかも
④ しかも特別委員会の人選が「見かけの公正さをアピールするために財界の大所を擁しておこう」という趣旨で頭を下げて頼み込んだのであれば、なかなか「ここは引いてくれ」とも言いにくいだろう


とまあ、自らの企業を防衛するのに他人を頼ろうとしたツケが廻ってきたというところでしょう。

でも、楽天はともかくとして、SMBCの西川氏を入れた時点で氏と親密なゴールドマン・サックスがM&Aを仕掛けてきた場合にどうする、って考えなかったんでしょうかね?


※ 「自分を防衛するのに他人に頼ってはいけない」という記事を書いていたところに、小泉首相が今日靖国神社を参拝するとか。
本稿は企業防衛の話なので、念のため。

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