↓この下あたりが関宿城。右下(東南)に太く流れているのは利根川です。
*天保年代の下総国絵図(今の千葉県北部)左上を虫めがねで見ると旧庄和町地域の集落が読めます。
住んでいる所、今は春日部市です。春日部市の多くは低湿地埋め立て地で、春日部市役所が作ったハザード・マップでも指摘しているように、決して安全な地ではありません。
関東平野の真ん中のエリア、地図で一般的に緑色になっている平野エリアはどこも良くない。縄文時代は海の底ですし、その後、川がどこを流れているかわからない低湿地です。江戸時代に、田んぼに開墾された荒れ湿地で、40、50年前に宅地に造成されたのです。
江戸時代以来のことでいいから、この地はどんな状態だったのか。川はどこを流れていたのかを知りたいと思っていました。旧庄和町教育委員会、春日部市教育委員会が、市民向けに売り出している<史書>も、人と治世を中心に書かれていて、よくわかりません。
*野田市市民会館
先日(17日)、野田市のキッコーマン醤油の祖・茂木佐平治家の旧宅=現・野田市市民会館に行きました。そこに、一般人が誰でも閲覧できる、野田市関係の書棚がありました。そうして以前に、同敷地内にある野田市郷土博物館で、<野田の古地図>展が開催され、その図録<江戸時代の野田をいく=古地図にみる「むら」の景観>が発刊されていること知ったのです。
職員さんに聞くと<まだ残部があって1200円です>と。それで一冊買ってきました。
例えば、襖(フスマ)一枚の大きさの絵地図が、図録ではA4版で載っていて、虫めがねを使っても見えない文字を読んでいます。
これが、なかなか楽しい。これを機に、本気に調べてみたいと思っています。
この度、知ったことではありませんが、旧庄和町は下総国、春日部市は武蔵国が明確です。その境は川です。たぶん、その川は中川でしょう。中川は、旧庄和町と春日部市の境の川です。むろん江戸川ではありません。江戸川は、江戸時代に下総国の台地を掘って、細い川を広げ、沼をつないだ、いわば運河です。明治時代になって千葉県と埼玉県の県境にしたのです。
*左の□が関宿城です、上部を右に流れているのが利根川。右下に流れているのが江戸川。江戸川の下側に、旧庄和町の集落が描きこまれています。その下の国境が川=中川(その頃は、庄内古川、いや古川はないですね、庄内川?)です。
私の住む、南桜井駅周辺は、旧庄和町の中のわずかな台地です。千葉県から、西に広がる下総(しもふさ)台地の西の端です。さらに西は、低湿地(田んぼ)を経て、春日部市(武蔵国)になります。
下総国のことですから、武蔵国の春日部市教育委員会の収集にはないかもしれませんが、見せてもらいたいと思っています。
国(藩)が違うということは、文化も違います。これもよく言われていることですが、下総国(旧庄和町)は香取神社の勢力圏、武蔵国(春日部市)は氷川神社の勢力圏です。もちろん、国境エリアです。ふたつの文化が混在しているでしょうが。
【おまけ】
*旧庄和町=庄内領、江戸時代は関宿城下、明治になっては、キッコーマン城下町の野田の文化圏だったように思うのです。低地は民百姓の集落(村)、台地は栗林の地で人の住んでる地域ではなかったのでしょう。その未開発地を狙って?整地し、東京の精工舎が疎開してきて軍需工場を作ったのでしょう。
中川というのは(春日部での)規模以上に大きな意味を持つ川だったんですね
旧のつく川がいくつもあります。それはそれでおもしろい。
古利根川だけが、春日部の川ではないのでしょう。
(f)
日にちが経ってからのコメントですみません。
楽しそうな地図を入手しましたね!
思い出しましたが、庄和地区は方言学から言ってもたいへん面白いらしいです。「特殊アクセント地域」というくくりをしていた書物を見た記憶があります。金田一春彦のアクセント辞典だったかな。川で隔絶されていたからでしょうか。
ところで、旧春日部地域は氷川神社ではなく、香取神社の勢力地域です。中世までは「古隅田川」が古利根川の主流で、武蔵国と下総国との境だったからです。今ではあんな細い川ですが、相当に大きい川幅だったようです。中世までは、現春日部でいうと、内牧地区だけが武蔵国で、それより南側の春日部は下総でした。
その後、江戸期に入るころまでには古隅田川は細くなってしまい、国境が変わり、春日部も武蔵国となったらしいですが。
今でももちろん、春日部西部の増富や大増地区には、香取神社があります。(^_^)
香取神社域は、Nさんのいうとおり、東から中川まででなく、もう少し西へ、春日部の一部を含んでいることが正しい。それから西は、すぐに氷川神社域でなく、その間に<細く>久伊豆神社域がありますね。
歴女さん!の目に留まり、うれしいですよ。
方言、アクセントの話は、初めての知識です。
この頃、アクセントは気になりませんが、庄和町に越してきたころには、地域に独特の語尾アクセントがあって、それが、ウチのバンドのアルトサックスさん(利根川の向こうの岩井出身)とそっくりだな、と思っていました