昨日(2月1日)東京に行きました。小さな用事をすませて神田神保町をふらふらしました。
10年前以前は、しょっちゅう歩いていた“古本屋と珈琲”界隈です。この頃さっぱり来ません。必ず寄っていたのが、山岳図書の悠久堂、音楽関係の古賀書店、買うこともないのに立ち寄るのが、中国図書の内山書店です。
中国・上海の内山書店の流れをくむ、神田の内山書店です。戦前、上海での、日中の文化交流に大きな足跡を残した内山完造さんは、私の郷里の岡山県井原市(当時は後月郡芳井町)出身です。
そのこともあって、内山書店には立ち寄るのです。中国語の書物は、読めもしないので買うことはありません。ごくごくたまに、内山完造さん関連の本を買うだけです。 ところが読めもしない中国語の本を買ったのです。
実は、前の週にも、ここに立ち寄っていて、この本を手にして、買おうかな、3500円がもったいないし、とやめていたのです。
そして昨日は、迷わず買ったのです。まあ無駄な本です。
中国の山岳ガイドブックです。5000m、6000m級の山のガイドブックです。もう、今となっては絶対に出かけることのない山々のガイドブックです。おまけに読めもしない中国語です。
それでも買ったのは、本が楽しそうだからです。写真や絵がいっぱいあります。だからといって美しい写真集なら買いません。詳しい地図がついています。登るためのガイドブックです。手作り感あふれる本なのです。
*読めませんが、絵はわかります。エベレスト(チベット側)です。
*山からの“お手紙”を折り込むといった手作り感あふれる本です。誰か読んでくれる人がいないかなあ。
おそらく3,4日前に、同じ町に住む知人と話していて、私と同じように、シルクロード、タクラクマン砂漠の“楼蘭”へ出かけてみたかったと、聞いたからでしょう。
“行きましょうか”と言われたのです。
実際はかなわぬ話なのですが、ずいぶん気分高揚したのです。しばらく、この中国語の本をめくって暮らしてみます。
チベットは、ヒマラヤの北側の国、今や中国です。このガイドブックに、チベットのエベレスト(チョモランマ)、カイラス(カンリンポチェ)の登山ガイドが載っていたら、最高に嬉しいのですが、それはありません。
カイラスは、仏教、ヒンズー教にとって聖山、須弥山です。登る山ではありません、崇(あが)める山です。 今、一番行きたいのは、カイラスです。冥土の旅なのです。
【おまけ】
*上海に内山書店を開いた内山完造さんは、今では、ふるさとの偉人です。岡山県井原の街にも内山書店がありました。中学、高校時代によく出かけていました。内山完造さんの弟さんの店です。そのことを教えてくれたのは、高校の担任(英語の先生)です。内山書店の隣に、洋品店があって、高校の同級生のウチです。その隣がラジオ屋です。中学校時代にラジオを作るのが好きだった私は、よく出かけていました。 家人の実家でもあります。