「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

被害者と向き合う教育を -- 罪と罰 (2)

2011年02月26日 22時01分10秒 | 罪,裁き,償い
 
 刑の厳罰化が 進んでいると言われますが、

 被害者学会理事の諸沢英道教授は、 刑の適正化だといいます。

 日本では従来、 被害者に対する責任が 重視されず、

 欧米に比べて 刑期が短かったが、 被害者の意見が 反映されるようになりました。

 加害者の償いは、 事件直後から 被害者への謝罪に努めるべきです。

 直後ほど被害感情は峻烈で、 そこを乗り越えることに 意味があります。

 被害者参加制度により、 加害者が直接、

 被害者に 真摯な償いの意思を 伝えれば、 量刑も考慮されるでしょう。

 特に裁判員は 被告の悔悟を重視します。

 刑務所では、 被害者感情を理解させる教育が 広く行なわれるようになりましたが、

 教育を担う人材が 不足しています。

 一部の被害者遺族が 被害体験を語っていますが、

 教育できる刑務官を育てるべきです。

 「刑務作業で 規律を身に付けさせれば 社会復帰につながる」と、

 刑務所は考えています。

 しかし、 罪に向き合うとは、

 被害者と向き合うことだと 理解させなければなりますせん。
 

 被害者に手厚くするからといって、

 加害者を社会から排除する 二者択一は間違っています。

 被害者の多くは、 「また被害に遭う人が出るのが 一番つらい」 と言います。

 加害者が中傷され、 精神的・ 経済的に追い込まれると、

 出所後の居場所がなくなり、 再犯の連鎖を生みかねません。

 加害者が 犯罪と無縁の生活を 送れることが、 被害者が望むことでもあるのです。

〔 読売新聞より 〕
 
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