刑務所出所者の4割以上が、 5年以内に再犯を起こしています。
刑事政策は、 裁判、 刑務所、 社会復帰の各段階が
ぶつ切れになってしまっています。
刑罰の目的は更生だ という共通意識がなく、
再犯の問題を 自分の責任だと考えていません。
刑務官が 受刑者の話を ただじっくり聞くだけで、
反抗的態度がなくなることが よくあります。
規律と監視で抑えるだけでなく、
「同じ高さの 目線で働きかければ 受刑者は変わる」 と 考えるべきです。
それには 刑務官の数を増やすなど、 現場に余裕を持たせることも 重要です。
仮釈放が減って、 満期出所が年々増え、 出所者の半数を超えています。
仮釈放したくても引き受け先がなく、 そのまま満期を 迎えてしまう人が多いのです。
そうすると 保護観察や保護司が 関わることが困難で、 再犯の可能性が高まります。
出所者を受け入れる基盤として 最も望ましいのは家族ですが、
難しい場合が多いのです。
今の更生保護は、 家族にまで 目が行き届いていません。
家族が引き受け先として 機能するよう助言したり、
福祉サービスにつなげたりする、 家族支援を専門にできる 部署が必要です。
〔 読売新聞より 〕