〔 読売新聞より 〕
介護職員は、 老いや死と向き合いながらも、
職場では 明るくにこやかな態度が 求められます。
高度な感情コントロールを必要とする 「感情労働」 のひとつです。
感情的に疲弊すると、 相手への思いやりや 仕事への意欲を失う
「燃えつき症候群」 に陥ってしまいます。
介護職員のメンタルヘルスは サービスの質を左右するだけに、
職員のメンタルケアに 力を入れる事業所も 現れてきました。
ある特別養護老人ホームでは、
生活相談員が 介護フロアを周りながら 職員に声をかけます。
生活相談員は 利用者や家族の 相談・援助をする仕事ですが、
ここでは メンタル面を含めた 介護職員のサポートも行なっています。
相談員は事務室ではなく 介護フロアに常駐し、
声や足音も感じ取って、 利用者や職員の様子を 把握します。
まず 外部の専門機関と連携して、 全職員のストレス診断を 定期的に実施。
臨床心理士による 電話相談 (週2回) も導入しています。
職員の変調に気付けば、 常駐の医師や看護師につなぎ、
必要に応じて 精神科クリニックに紹介します。
先輩職員が新人を マンツーマンで指導する 「チューター制度」 に、
メンタル面のサポートも盛り込んでいます。
職員は 安心感と納得感を持って 働くことができ、
それが結果的に サービスの質を上げ、 利用者の満足度を高めるのです。
職員のストレスは、
認知症に対する理解不足や 技術の未熟さが 原因にある場合もあります。
人手不足や賃金なども 要因になるでしょう。
総合的なメンタルヘルスを 考えていく必要性が求められています。