(前の記事からの続き)
先日は 他の利用者さんがおらず Bさんだけだったので、
いつも他の利用者さんが 座っているテーブルに 慣れてもらおうと、
その席に着いてもらいました。
そして昼食のとき、 テーブルの4つの席のうち、
斜め向かいの席に まず僕が座りました。
もう一人のスタッフが、 Bさんの横か正面か、 どちらに座っていいか 尋ねると、
Bさんは 横の席を指差しました。
そういう意思表示をするのも 初めてのことです。
さらに、 たまたま 隣のグループホームから 来ていたスタッフが、
Bさんの正面に座ったのですが、 見知らぬスタッフにも拘らず、
Bさんは拒まなかったのです。
(そのスタッフは、 Bさんの前に座るのが 難しいということを知らず、
ただ席が空いていたから 座っただけでした。)
何とひとつのテーブルを Bさんと皆で囲むということが 実現したのです。
そこへ来た事務の人が、 「異様な光景だ」 と驚いていました。
Bさんの心の垣根が やっと開かれてきたのです。
ケアの仕事の醍醐味です。
Bさんだって、 やはり 人と一緒にいたいのです。
居心地のいい方が いいでしょう。
最初から人を拒否する 人だったはずがありません。
こちらが温かく 受け入れていれば、 人として 心を許してくれるのでしょう。
まだまだ悪口は相変わらずですし、 声かけに答えてくれないことが 多いですが、
だんだんコミュニケーションも 取れていけたらと思います。
その次の段階は 他の利用者さんとの関わりです。
他の利用者さんも 今はBさんを恐がったり、 敬遠しています。
その間に入って どのように取りもったり、 距離を保ったりしていくか、
お互い傷つかないように 距離を縮めていくか、 模索が始まると思います。