「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「心を鬼に」 法相サイン -- 死刑執行の現実 (1)

2008年10月29日 20時54分08秒 | 死刑制度と癒し
 
 読売新聞 10月4日から17日までの 社会欄に、

 「死刑・ 執行の現実」 と題した 記事が連載されました。

 その要約を 書いていきたいと思います。

 来年5月に 裁判員制度が始まり、

 誰もが死刑の判決を 下さなければならない可能性があります。

 世論では 死刑容認が多数を占めますが、

 厚いベールに覆われてきた 死刑の実態を、記事は明らかにしていきます。

 今年6月、鳩山法相 (当時) は 3通の死刑執行命令書を 差し出しました。

 そのうちの1通は、 4人の女児を殺害した 宮崎勤でした。

 鳩山氏は 裁判記録すべてに目を通して、

 事件の残虐性を 頭に叩き込み、 心を鬼にして サインをしたといいます。

 宮崎死刑囚の独房の 斜め向かいには、

 オウム真理教元幹部の 新実智光が収監されていました。

 法相のサインの4日後、 新美被告は

 宮崎死刑囚が 刑場に連れて行かれることに 気付きました。

 職員が 宮崎死刑囚の部屋の荷物を、 台車に乗せ始めたからです。

 執行の日は、 普段の担当ではない刑務官が 独房の扉を開け、

 死刑囚に 外に出るよう命じます。

 その瞬間、 死刑囚は 刑の執行を悟るといいます。

 刑場に向かう途中、 控室で処遇部長から 執行を告げられます。

 和菓子や果物, 熱いお茶が用意され、

 教誨師の話を 聞くこともできますが、宮崎死刑囚は 頼むことはなかったそうです。

 刑場の 手前の壁の祭壇には 阿弥陀如来像と十字架、

 奥には 太さ3センチのロープが 天井から吊り下がっています。

 床は、ボ タン操作で開く 110センチ四方の踏み板。

 宮崎死刑囚はそこに立ち、 白い布で 目隠しをされて、

 静かに刑を 執行されたということです。

〔読売新聞より〕

(次の記事に続く)