「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「大日本人」

2007年06月21日 22時54分44秒 | 映画
 
 松本人志・監督 第1回作品です。

 松本人志演じる 大佐藤大 (だいさとうまさる) は、

 怪獣が現れると 防衛庁の要請によって、

 巨大化して 「大日本人」 となり、怪獣を退治します。

(前もって それを知っていて見たので、伏線の言葉も 面白く聞けました。)

 大佐藤家は 代々この役割を拝命し、現在の 大佐藤は6代目です。

 映画は、大佐藤が 密着取材を受けているらしいところから 始まります。

 失礼なことを平気で聞く インタビュアーに、

 大佐藤はボソボソと 言いよどみながら答え、

 ドキュメンタリータッチで 描かれていきます。

 かつては隆盛を極めた 大日本人も 現在ではうらぶれて、

 大佐藤は貧乏くさい格好で ぼろ家に独り暮らし。

 妻と娘にも逃げられ、世間からも飽きられています。

 4代目の頃は ゴールデンタイムで放映されていた 獣との闘いも、今は深夜枠。

(大日本人は 怪獣のことを 「獣」 と呼んでいます。)

 スポンサーの思惑に 振り回され、

 俗人のマネージャーの 言いなりにならなければならなかったり。

 今までにない どんなジャンルにも当てはまらない映画、と松本人志は言っています。

 確かに独特な映画ですが、僕はコメディーとして観ました。

 電流によって巨大化した 大日本人の造形は かなり良くできていると思います。

(巨大化したときに履くパンツまで しっかり用意されています。)

 動きも “それっぽい” し、獣たちも それぞれ傑作です。

(ただ、闘いの決着が 簡単につきすぎるのが、やや物足りませんでしたが。)

 ペーソスあり、真面目なバカバカしさあり、会場からも 笑いが漏れます。

 大爆笑ではありませんが、思わずクスクスと 笑ってしまう可笑しさです。

 今までにない映画 というのは、成功していると思います。

 しかし、ラストはちょっといただけず、

 あくまでも 大日本人の問題として 決着してほしかったと 思った次第でした。

 一見の価値はあります。
 
コメント
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