「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

妄想性パーソナリティ障害

2007年06月08日 11時38分00秒 | 「パーソナリティ障害がわかる本」 より
 
 妄想性パーソナリティ障害は、強い猜疑心を特徴としており、

 人は必ず裏切るものだという 信念を持っています。

 その信念を証明するために 裏切りの証拠を探ろうとしたりし、

 逆にそれによって 人間関係を壊し、裏切られてしまうこともあります。

 権力者にもよく見られ、部下の忠誠を信じられず 不安になってしまいます。

 好意で近づいてくる人にも、自分を利用しようとしているのではないか、

 騙そうとしているのではないか と勘繰ります。

 そのため対人関係を作れず、チャンスも逃してしまいます。

 近親者の愛情や 友情も信用しませんが、表向きはそれを隠す 老獪さも持っています。

 
 もうひとつの特徴は 極度の秘密主義です。

 自分のことが人に知られて、悪用されないかと 常に危ぶんでいます。

 ささいなことでも 重要な秘密だと感じ、執拗に隠そうとするのです。

 時には気持ちを許し、自分のことを話すことがあります。

 しかし それを後悔したり、相手に依存したい感情と 裏切られる心配とで

 精神のバランスを崩してしまいます。

 
 また、傷つくことに過敏です。

 何でもない言葉でも邪推して 悪意や非難を感じ、怒ったり 侮辱されたと思います。

 何十年も前の言葉を正確に覚えていて、恨みを思い出したり 言い募ったりもします。

 妄想性パーソナリティ障害の人は、人を許すということが 最も困難です。

 自分の傷ばかりに捕らわれ、相手を許せないため 自分も苦しんでしまうのです。

 ジェラシーが極めて強いので、パートナーの浮気を 何の根拠もなく怪しみます。

 ストーカーのように相手を調べたり、DVに至ることもあります。

〔 岡田尊司 「パーソナリティ障害がわかる本」 (法研) より 〕

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/48153669.html