レジデントたちには、「リハビリテーション」ではなく、「ハビリテーション」が必要だといいます。
リハビリテーションとは元の状態に回復することを言いますが、彼らは元々普通の状態を獲得できなかった人たちで、
「ハビリテーション」=「ゼロから学び直すこと」をしなければなりません。
「矯正」や「懲罰」という前に、未熟な精神を「育ててあげる」という養育的配慮が必要なのです。
あるレジデントは、2年間のプログラムを経ましたが、いまだに泣いたことがなく、なぜ人が泣くのか理解できないと言いました。
「哀しいという感情も愛するという感情も、まだよくわからない。
でも、今がんばって理解しようとしているところなんだ」と微笑みました。
幼児期のトラウマは、これほどまで人間の精神を破壊してしまいます。
そしてアミティのプログラムは、その荒廃した砂漠に、希望という種を植えていく作業なのです。
(続く)