「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

子ども時代を剥奪された者の文化/「アミティ」(6)

2006年04月10日 19時27分43秒 | 死刑制度と癒し
 
 子ども時代に心の傷を受けた人たちは、それを放置しておくと、成長して犯罪に走ったり、

 自分自身を傷つける行為をするようになってしまいます。

 彼らには次のような特徴があります。(「アリス=ミラーのパラダイム」という)

○小さな子どものときに傷つけられたが、そのことを誰にも知られていない

○被害を受けたことに対して怒りをぶつけることができなかった

○傷つけられたことが相手の善意によるものだとして、感謝で応えようとしてしまう

○すべてを忘れてしまう

○大人になってから、内にためた怒りが他人や自分自身に向いてしまう

 彼らはそうして、「子ども時代を剥奪された者の文化」を担うことになってしまったのです。

 子供のときのトラウマのために、健全な精神の発達を阻害され、

 人間の自然な感情を理解したり、表現したりできなくなってしまうのです。

 彼らは言います。

「警察、裁判所、刑務所と行く先々で、『反省しろ』と言われ続けた。

 でも、一体何をどのように反省していいのか分からなかった」と。

(続く)
 
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