「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

心子のお母さんとの再会(1)

2005年11月26日 21時11分58秒 | 心子、もろもろ

 心子のお母さんとは、心子の葬儀の日に初めて会いました。
 その後も2度ほど会い、色々な話を聞いたりしました。
 心子から生前に聞いていた話と相反することなども伺い、それは「境界に生きた心子」の「心の真実」を書く際に反映されました。

 本ができてからも再会しましたが、お母さんに拙著を読んでいただくにあたり、僕としては如何とも心苦しいものがありました。

 彼女は出産のとき足に障害を受けたために、親は抱き上げないようにと医師から言われ、ご両親は家業が忙しいこともあって、赤ん坊の彼女は一日中一人で部屋に寝かされたままだったといいます。

 従って彼女の心の障害の原因は、幼少時のスキンシップや愛情の過不足だったということを、拙著には書かざるを得なかったのです。
 それはお母さんにとって何よりも辛いことでしょう。

 でも、カテゴリー「境界に生きた心子」の「ボーダーの原因」(11月21日)に書いたように、第一に生物学的な(先天的な)要因があるということが拙著の出版後に分かったと、僕はお母さんにお話ししました。
 お母さんにはどうしてもお伝えしたいことでした。

 お母さんは安堵の表情を見せ、僕も胸をなで下ろした次第です。