銀座シネスイッチで、シネマ歌舞伎「野田版・鼠小僧」というのを観てきました。
2003年に歌舞伎座で上演された、野田秀樹作・演出の歌舞伎「鼠小僧」を、デジタル撮影して映画館で上映するという、松竹110周年記念のイベントです。
歌舞伎の舞台の臨場感をスクリーンで再現するものです。
英語の字幕が付いていて、外国の人にも歌舞伎を親しみやすくするものでしょう。
野田秀樹の脚本は独創的で、ユーモアもたっぷり、とても堪能しました。
僕は歌舞伎はあまり観ないのですが、とても手慣れて壺を心得ていたように思います。
一人二役の主演・中村勘三郎も大熱演でした。
金にしか興味がない棺桶屋の三太が鼠小僧になるという、結構はちゃめちゃな話です。
それを裁くのが、週3で間男している大岡越前というのも一品です。
人間関係が次々と入り乱れ、正邪相摩し、顛末が予想できない展開でした。
セオリーである勧善懲悪を破り、悪がのうのうとのさばりながらも、感銘を誘うラストは非常に卓抜したものでした。
人に誘われての鑑賞でしたが、とても貴重なものを観られた思いです。