「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「境界に生きた心子」(星和書店・刊)の紹介

2005年11月08日 15時25分11秒 | 「境界に生きた心子」
 
 境界性人格障害(境界例/ボーダー)という心の障害を抱えた女性・心子(しんこ)と過ごした日々。
 その波瀾万丈の実体験を描いたノンフィクションの本を上梓しました。
 心子と僕の軌跡が結実し、渾身の想いを込めた一作になりました。

 彼女とは甘い蜜月と凄まじい修羅場が、目まぐるしく繰り広げられました。
 全てを焼き尽くすような、微塵の妥協も許さない強烈な彼女の愛情。
 壮烈ながらピュアでひたむきなラブストーリーです。

 そんな、限りなく純粋で千変万化の僕の彼女を紹介します。
 心子や境界性人格障害について皆さんと語り合っていきたいと思います。


  彼女をはじめ境界例の人は、感情の起伏が激しくて衝動をコントロールできず、本人も周囲も大変な葛藤に巻き込まれます。
 愛する人を過剰に理想化するかと思うと、一転して致命的にこき下ろします。
 恋人や家族に対して“完璧な愛情”を求め、それが得られないと僅かなことでキレたり、逆にうつ状態になったりしてしまいます。
 それは、幼少時不幸にして適切な愛情を得られなかった環境による、根源的な「愛情飢餓」から来るものなのです。

  その一方、境界例の人はこの上なく純粋で人を引き付ける魅力があり、色々な才能に恵まれていることも少なくありません。
 マリリン=モンロー,ダイアナ元妃,尾崎豊,太宰治もボーダーだったと言われています。

 境界例の人は元天使だったと言う人がいます。
 彼女との交際はすこぶる楽しくて魅惑的ですが、人間に転生してまだ間がないため人の不完全さを理解できず、理想像を要求されて甚だしい困難を強いられます。
 けれども、それで最も傷つき苦しんでいるのは本人自身に他なりません。
 彼女たちは何よりも愛情に飢えているのです。


 境界例はボーダーレスの現代を象徴する心の障害であり、若い世代を中心に増加し、今も苦しみ悩んでいる人やその家族・パートナーの人たちは沢山います。
 拙作によって、人間にとって愛情がいかに大切かということを伝えられたらと思います。
 児童虐待はじめ親子や家族の愛情が問われる現在、本作を世に訴えるのは意義あることだと愚考いたします。
 透徹した彼女の生きざまを目の当たりにした時、きっと何かを感じていただけるのではないかと思います。


 2001年の年明け、心子は自死にて旅立っていきました。(自殺行為も境界例の症状のひとつです。)
 その後、僕は彼女のことを書き記しはじめ、約3年半に渡り加筆を重ねてきました。
 念願の本が刷り上がって5日目の1月17日は、彼女の命日でした。
 生まれたばかりの本を彼女の墓前に報告してきました。
 彼女のお母さんが非常に喜んでくれたこの本を、心子もきっと祝福してくれたと思います。

 彼女はカウンセラーであり、心の病に苦しむ人を一人でも救えたら本望だと言っていました。
 人のために身を捧げることを少しも厭わなかった彼女ですが、拙著によって境界例の人たちが理解される一里塚となることができれば、それが何よりの供養になるでしょう。

 なお、奥付の発刊日2月21日は心子の誕生日です。
 「境界に生きた心子」は彼女の生まれ変わりであり、“我が娘”でもあります。
 拙著が少しでも皆さんの心に響くことを、心子と共に祈っています。


【海原純子さん推薦(心療内科医・医学博士)】
『愛しても愛しても、それでもまだ愛に飢えて手をのばす人がいる。
 そうした女性を恋人に持ち、正面から向かいあって生きた人の、魂の記録が胸にしみる。』


【ご注意】
 ボーダーの方ご本人が拙著を読まれた場合、非常に共感・感動し救われたという方と、フラッシュバックを起こしたり傷つき怒ったりする方の、両極端に分かれるようです。
 ボーダーの方の心の健康を守る必要があるので、その点をどうか予めご了解くださるようお願いいたします。


【追記】
 2008年の新風舎の倒産に伴い、「境界に生きた心子」は絶版扱いになりましたが、幸いなことに星和書店から再出版されました。
 また是非よろしくお願いいたします。


●Amazon 「境界に生きた心子」(星和書店)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4791106938/sr=1-3/qid

(新風舎版:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797439130/ref=pd_rhf_p_1/) 
 

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