「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「境界に生きた心子」を読んでくれた女医さんのお話(3)

2005年11月11日 21時23分16秒 | 「境界に生きた心子」

 件の先生は、心子のようなタイプの人の特徴や治療法をメールで書いてくださいました。
 彼女と直接会っていないので推測の域ということでしたが、正に心子はそうだった,またはそう思っていたのかもしれない、ということばかりでした。

 彼女のような人の治療には、やはり相当難しい条件がクリアーされる必要があるそうです。
 とても貴重な内容なのでご紹介したいと思います。
 先生のメールから、心子のようなタイプの人の特徴や治療法を引用させていただきます。

「心理療法を学んでいるタイプの人というのは、とても難しいものを抱えていることが多いんです。
 『治りたい。気持ちよく過ごしたい』と思う反面、心の奥底で、
『私は〈この世で最悪の大変な状況〉と向き合っているの。私以上に大変な状況はない。だからこそ、私は他の大変な人の気持ちがすべて理解できる。そして、私を完全に理解できる人は、世の中にはそうそういないのよ』
と思っていることが多いので。

 こういう人にとっては、〈世の中で一番の大変〉を抱えていることが誇りであり、がんばるエネルギーになっていたりします。

 また『相手の激しい感情に巻き込まれていること=相手を理解し共感できている』と思う傾向があります。
 ですから、〈大変〉を捨てることがなかなかできません。」
(続く)

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「境界に生きた心子」を読んでくれた女医さんのお話(2)

2005年11月11日 09時53分25秒 | 「境界に生きた心子」

 昨日書いた先生のお話の続きです。
 先生は、心子に対してはこんな声をかけてあげたいと言ってくださいました。

「よくここまで頑張ったね。死ぬのにどんなに勇気が要ったか知ってるよ。
 やり方はうまいとはいえないけど、自分なりに最大の勇気を振り絞って『自分を救えた』んだよね。
 自分を救える力が芽生えるまで自分を癒すことができただけでも、あなたにとってとてもすごい『人生の課題をクリアーした』ことになると私は評価しますよ。
 いい出会いのお蔭でここまで頑張れたんだね。
ほんとによく頑張ったね。
 お疲れさん。ゆっくり休んでね。
 次に生まれ変わってくるときは、もう少し簡単な人生を選んでくるんだよ」

 そして、魂が永遠ならばあまりにも辛すぎる人生の時には一度そこから離れて、適切な人生を選んでもう一回一から生き直すことも「あり」だとおっしゃっています。
 僕もそれには同感です。
(続く)

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