活字日記

毎日読んだ活字系(雑誌、本、新聞、冊子)を可能な限りレポートします。

【4月16日】

2022-04-16 | 新書

現代物理学では4つの力がこの世を支配しているとします。重力、電磁気力、強い力、弱い力です。強い力と弱い力は原子核物理の世界なので通常の生活で実感することはありません。重力と電磁気力はおなじみの力です。我々の体も電磁気力で成り立っています。両方とも距離の二乗に反比例して弱くなります。逆二乗則と言います。弱くなりますが、しかし無限遠に届きます。重力は電磁気力より30桁も弱い力なのですが、でもこの重力が宇宙の構造を作っています。重力の方程式には万有引力の方程式と一般相対性理論があります。天体の動きや日常の動きは万有引力の方程式でつじつまが合います。万物は全て引力を持っているというのが万有引力で、人間だって引力を持っているのです。ただ、非常に微小なので、精密な観測でないと判らないわけです。地球と人間の関係だと、地球があまりにも大きいので地球の引力を重力としてしか感じることができないわけです。この万有引力の方程式が微小な世界では崩れるのではないかと疑う物理学者がいるのです。万有引力は我々の3次元世界では有効ですが、5次元以上の世界、とくに11次元の世界になると別なものが見えてくるというのです。そして電磁気力は3次元世界にしか影響は及びませんが、重力は多次元世界にも及ぶというのです。重力が電磁気力に対して異様に小さい力なのはそこに理由があるのではないかというのです。本棚にある11年前に買った「余剰次元」と逆二乗則の破れを読み直しました。初めて読んだ当時は行く判らなかった内容ですが、今回は結構理解できました。著者は立教大学の物理学部の先生で、この世界では結構先端を行っているそうです。超ひも理論も登場して面白い内容でした。

「「余剰次元」と逆二乗則の破れ」村田次郎 講談社ブルーバックス

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