ふと積んであった雑誌の山の中から文藝春秋の6月号を抜いて読み始め、特に日本陸軍の参謀たちの話を読み直しました。日本陸軍はとかく太平洋戦争の責任の中枢にいますが、優秀な人も多かったのですね。しかし、一部の無能な参謀が悲惨な戦争の経緯を導くこととなりました。辻正信と服部卓四郎の両名は戦後もぬくぬくと生き抜いたということではいかがな参謀かと思います。この両名を組織に残したという組織のあり方も問題と思います。
徳川家康の器量と狸爺ぶりがまじめな石田三成に勝っていたことで日本史は徳川幕府へと流れるのですが、それにしてももし(歴史にイフはないにしても)島津義久の兵が千人でなく五千人だったら歴史はどうなっていたか、小早川秀次が松尾山に入っていなければとこの本を読んで思いました。天下を手にして勝者の歴史を作った徳川も明治になって敗者になり貶められてしまいました。
「敗者から見た関ヶ原合戦」三池純正 洋泉社新書
「敗者から見た関ヶ原合戦」三池純正 洋泉社新書
40億年の歴史のあとは400年前の歴史です。歴史は勝者によって作られるといわれますが、関ヶ原の戦いも徳川の勝利によって徳川のための戦いになったと思われます。石田三成がすべての悪を背負って首をさらされたということになっています。そういうことから敗者から見た関ヶ原合戦というちょっと刺激的なタイトルの本を読み始めました。
地球が誕生したのは45億年前。5億年後にはアミノ酸のスープで早くも自己複製をするたんぱく質という高分子が誕生します。それから30億年という気が遠くなる月日を経て多細胞生物へと進化をします。生命の歴史は40億年ですがそれを淡々と書くと8分の7はつまらない歴史になってしまうのですね。400ページを超える生命40億年全史は残りの5億年に光を当てざるを得ません。その5億年はまさに幸運と偶然の織り成す進化の歴史となります。大英自然博物館の古生物博士である著者は古生物学者のエピソードを交えて面白い読み物になっています。
「生命40億年全史」リチャード・フォーティ 草思社
「生命40億年全史」リチャード・フォーティ 草思社
生命40億年全史を100ページ。あと100ページなので明日には(予定通り)読み終えるかと。地球は何回かの生物の大全滅を経て現代を迎えています。それぞれの大全滅はどうして起きたのかは化石だけでは語ってくれません。ただ恐竜の全滅だけは隕石の衝突ということで大方の意見の一致が見られているだけです。幸運な種だけがなぜか生き残って40億年後の我々がいるわけですね。今ある自分は40億年のDNAの複製の結果であるわけです。何万年か前に突然発生したわけではないわけです。5億年前の原生生物の海の中に自分の祖先がぷかぷかしていたなんて想像できません。
生命40億年全史を10ページほど読み進めました。畳の部屋で座椅子によっかっかって外からの光と東風を受けて読んでいると、つい眠気に誘われてしまいますね。いかんいかん、と思いますが、電車に乗っていると今度は適度な揺れが眠気を誘い、読書には大敵が多いものです。
生命40億年全史は半分まで、時代で言うとデボン紀が終わり石炭紀になった頃まで読みました。4億年前くらいに海中から地上に植物と動物が上がってきます。植物はシダ系のものが多く、動物は虫類と両生類です。しかしなんとウミサソリは人ほどの大きさがあってしかも現代のサソリと同じく毒も持っていたといいます。そして直径数センチ、体長2mのヤスデもいたといいます。カモメほどのトンボもいて、トンボはともかく、サソリとヤスデなどは想像しただけでおぞましいですね。エイリアンの世界というかゲームの世界というか....。
日経ビジネス9・17号とビックコミックオリジナルを(昨日の予定通り)読みました。日経ビジネスは静脈経済の話でしたが、頻繁に入れ替えているパチンコ台は宝の山だそうで、使われて得いる液晶は再利用されて韓国ではカーナビ用に転用されているそうです。半年で捨てられてしまうというのがそもそも問題ですが、自動車や普通のPCのようにリサイクルはできないものでしょうかね。パチンコ業界の後進性がうかがえますね。