活字日記

毎日読んだ活字系(雑誌、本、新聞、冊子)を可能な限りレポートします。

【4月15日】

2022-04-15 | 単行本

この天の川銀河に地球とコンタクトを取れる知的地球外生命が在るのかどうか。いるという前提でいろいろ検討すると、実はいない可能性の方がどんどん盛り上がるのですね。銀河系広しといえどもどこにある惑星でもいいわけではありません。銀河系にもハビタブルゾーンという、生命が生きていけるのに好適なゾーンがあり、そこにわれらが太陽と同じくらいの質量の恒星があり、木星ほどの惑星も(外側に)存在し、やはりハビタブルゾーンに水のある岩石惑星があることが第一に必要で、ここまででだいぶハードルがあがるのです。さらに月、プレートテクトニクス、磁場も必要です。特に磁場が無いと太陽風によって地球大気は無くなってしまう可能性があります。生命は水と炭素と窒素とリンと硫黄があれば生命は意外に早く誕生するでしょう。そして原核生物は生まれるでしょう。さて、そこからです。そこから真核細胞、多細胞までたどり着けるかどうか、などなどその先もさらに多くのハードル、苦難が待っています。恐竜を絶滅させた隕石の来襲もあと数時間ずれていたら恐竜は生き残っていて哺乳類は大進化しなかったかもしれないし、隕石があと少し大きかったら生物は全滅していたかもしれません。こういうことを上げていくと奇跡の連続が人類を今に残しているとしか言いようがありません。まさに神が作ったといえるほどです。ということで、著者は49の理由の後、50番目に自らの見解を述べ、結論として、天の川銀河には現在は我々しかいないのだとう考えが妥当だとしています。深く同調しますね。
生命はどこかにいるでしょう。木星の衛星エウロパの氷の下の海には生命がいるかもしれないと言われています。そのことと知的生命体とは別ですからね。人類の生物学的寿命の中で(おそらく数万年)コンタクトに成功するとは思えませんね。もっと早くワクチンも効かない猛烈な疫病で人類は死滅するかもしれません。
18年前の本の再読ですが、まだまだ内容は古くない本です。知的好奇心をとてもくすぐってくれます。

「広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由」スティーブン・ウェッブ 青土社

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