ローマ人の物語を引き続き読んでいます。ローマ帝国は5世紀に東西に分裂しましたが、高校の世界史で学んだことは、程なく西ローマ帝国はゲルマン民族の移動によって崩壊し、東ローマ帝国はあと1000年の余命を保ったというくらいのものでした。東西に分裂した理由はもとよりそこでの人々の葛藤は全く触れられていないわけで、この本を読んでいると帝国末期のあがきが具体的に伝わってきます。
文庫版ローマ人の物語もいよいよ最後の発売になりました。ローマ世界の終焉と題されて東西ローマ帝国分裂とその後を追っています。国は著者は、亡国の悲劇とは、人材の欠乏から来るのではなく、人材を活用するメカニズムが機能しなくなるがゆえに起こる悲劇と言っています。今の日本は首相たる指導者の人材不足が自民党末期から続いています。民主党などもひどいものです。果たして本当に人材不足なのか、それとも優秀な人が世に出てこられないのか。長期停滞の日本が亡国に走るのが、ライジングサン、アゲインとなるのか。ひとえに真の指導者の登場を待つしかないような気がしますが、果たして...。
文藝春秋9月号増刊吉村昭特集は星への旅が収載されていて昨日読んだのですが、後半には吉村昭最高傑作とうたわれている破獄(日本犯罪史上に残る脱獄犯の話)の幻のシナリオが収載されています。幻のというのは、吉村昭は映画化にOKを出したのですが、まぁ資金のこともあったのでしょう、映画化されなかったたために幻となったのですが、映画化されていればモノクロが似合うベルリン映画祭などに出品できるような作品になったのではないかと思います。今からでも遅くないなぁと思いますが...。
文藝春秋9月増刊号の続きです。吉村昭特集で、もう早いもので没後5年になります。生前死んでも3年は自分のことを書いた小説は書くなと奥様の津村節子氏に言っていたそうですが、つい先頃ついに追悼の小説を出版しましたね。津村節子氏のロングインタビューが載っていて、実は氏の作品は一つも読んだことがないのですが、この追悼の小説は読んでみようかと思っています。この増刊号では吉村昭がプロの小説家としての第一歩となった太宰治賞受賞作、星への旅がまるまる載っていまして、初めて読みました。三陸の断崖から集団自殺する少年達の話で、最後は主人公が海中に没しながら死を感じていくところで終わります。メルヘンを感じるタイトルとは違いなんとも奇妙な、でもちょっと恐怖を感じてしまうストーリーでした。
出張に出ておりまして、新幹線に2時間半乗っている間の車中読書でありますが、好きな作家である吉村昭の文藝春秋9月臨時増刊号での特集号を読んでいました。3.11以降吉村氏の書いた三陸大津波が再評価されて店頭に山積みされていましたね。旧田野畑町(現宮古市)に何十回も通った氏は、三陸大津波が何回も繰り返して、その度に似たようなことを繰り返してきた現実を警鐘しています。それは関東大震災でも似たようなもので、災害が起きた時は人は真摯になるのですが、喉元を過ぎた頃には元の木阿弥のようになってしまうことへの警鐘であります。巨大な津波はハッキリ行って防ぎようが無く、だとすればそういう地域には家を建てず高台に住むということが必要なのですが、50年もすると皆忘れてしまうのですね。来るべき南海、東南海地震に対してはしっかりとした脚構えが必要であることを忘れないでもらいたいものです。
ドラクエ6を終えたと思ったら、FF3などという古いゲームのDS版をやり始めたものですから、涼しくなった気候についつい時間を取られてしまいます。が、しかし、本も読まねばならぬということで、ハワイを極める50の法則を30分ばかり読みました。
今年は12月にホノルルマラソンを走ろうと思っているので、ハワイ観光もしてこようと思っているのあります。初めてのハワイでありまして、ハワイを極める50の法則なんて本を買ってきて読んでいます。ガイドブックにも載らない新ルールなんてサブタイトルの本です。まだあと2ヶ月余りでありまして、ランニングのほうも本番モードの練習に入るわけであります。
秋分の日でありますね。いよいよ秋本番です。今日はたまっていた鉄道全路線私鉄編を7冊一気読みです。最近は新幹線ができると地方幹線が第三セクターになってしまうので、それも私鉄換算です。2014年に北陸新幹線が開通すると、長野から先の信越本線は直江津まで今のしなの鉄道が役割を受け継ぐことになりそうですが、北陸線側(JR西日本側)はどうなるのでしょうね。新幹線は都会同士を結ぶにはいいツールですが、地元生活者には不便を強いることになるのではと思ったりします。
マラソンのための本はあまり読まない方で、かつてはランナーズを毎月読んでいましたが、自分の方法が確立されてくるとあまり気にならなくなっていました。今年の東京マラソンで自分でもまぁ納得の自己記録が出たのでこれから何を目標にしようかと考えた時、タイムをさらに縮めるにはどうするかということは、方法論的には見つからないでいたのでありますが、毎日長い距離を走らなくてもマラソンは速くなるという超長いタイトルの新書を見つけて、それは月間走行距離を稼ぐ練習は止めようという主題の本で、科学的な、効率的な練習をしようという内容だったのでゲット。日本人は練習時に走りすぎという著者の指摘はケニア勢とかアメリカ勢とかの実際にトレーニング記録をみても当たっているのです。日本のトップ級は月1000キロ走ることは当然という練習ですが、他の諸国はその7掛けという感じのようです。日本のトップ級の記録はこの20年伸びていません。バルセロナ五輪以降世界に完全に置いていかれているわけです。女子も野口みずき以降だめです。どの選手も中学高校時代持っていた華々しい記録の伸び代をを大学、社会人で突破できていないのですね。それは走り込みすぎだからというのが著者の指摘です。著者は走ることを減らして自転車で補うという練習を推奨しています。ちょっと心が揺れました。自転車ブームというのもありますが、ここで練習の質を変えてみるというのも、これからのランニングに有効なのではと思った次第です。
「毎日長い距離を走らなくてもマラソンは速くなる」吉岡利貢 ソフトバンク新書
今日は新幹線で出張に出たのはいいのですが、所用が終わって戻ってきたら台風に追われて家に帰れず、改札口の階段で3時間ほど帰宅難民をし、台風が去って動き出しいつもは1時間で帰ってくる電車も2時間かかって帰ってきました。新幹線と帰宅難民とで夏の闇は読み終え、週刊ダイアモンドとビックコミックオリジナル、まいにち冨士山という本まで読んでしまいました。夏の闇は久しぶりに読んだ純文学。週刊ダイアモンドは自転車特集に惹かれて。まいにち冨士山は定年後富士登山を始めて、厳冬期以外は殆ど毎日登って800回超という元先生の体験記です。先日冨士山を登ってきたばかりなので、この本に惹かれた次第です。丹沢の麓に住んでいて、5時に起きて車で冨士山五合目まで行き(殆ど富士宮ルート)、2時間半で登頂して昼には帰ってくるというのが「日課」ということです。毎日、というのがなんですよね。今年71歳ですがまだ毎日登っているようです。でも先日本屋で1000回登った人の本が並んでいたのを見た記憶があります。
「夏の闇」開健 新潮文庫
「まいにち冨士山」佐々木茂良 新潮新書