著者のポール・ナースは裕福な家庭から有名な大学に進学した人ではありません。それどころか大学進学に際して6回もフランス語の試験に落第しているそうです。そして自分は姉の子だということが、アメリカのロックフェラー大学学長に就任するためにグリーンカードを取るときわかったそうです。そういう人生の中で酵母菌の細胞周期を研究しcdc2という遺伝子の発見でノーベル賞を受賞します。生命とは何か、生命の定義はまず、自然淘汰を通じて進化する能力、二つ目に生命体が「境界」を持つ物理的な存在であること、三つめは生き物は化学的、物理的、情報的な機械であること、この三つが合わさって初めて生命は定義されるということです。この三つにすべて従って機能する存在は。生きていると見なすことができる、としています。
科学分野の翻訳で活躍する竹内薫の訳ですが、ご本人曰く、今までで一番感銘を受けた本だと言っています。
「WHAT IS LIFE ?」ポール・ナース ダイアモンド社