活字日記

毎日読んだ活字系(雑誌、本、新聞、冊子)を可能な限りレポートします。

【7月31日】

2023-07-31 | 文庫

今日の名短篇は湯川秀樹です。日本初のノーベル賞受賞者で、原子物理学の泰斗です。文筆家で氏のエッセイはかつてよく見かけました。そして1950年代から1970年代後半の教科書にまで載っています。アインシュタインとプリンストン大学で一緒だったことがあり、そんな人は日本人では氏以外にはいないです。

 

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【7月30日】

2023-07-30 | 文庫

教科書名短篇は昨日までの寺田寅彦から中谷宇吉郎に代わりました。両者とも教科書に載ったのは戦争直後から1950年代にかけてです。寺田寅彦の弟子だった中谷宇吉郎は雪の研究で知られた人です。岩波新書の雪というタイトルの本は有名で、1938年に岩波新書発刊の時の最初の20タイトルのうちの1冊です。今は新仮名遣いになって岩波文庫で手に入ります。

 

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【7月29日】

2023-07-29 | 文庫

科学随筆による教科書名短篇の寺田寅彦の章を読み終えました。身近な自然現象に科学的考察をみるのはまさに科学者ならではです。さて、蜻蜓(トンボ)という随筆では、八月初旬のある日の夕方信州星野温泉でという書き出しで、うしろの丘に散点する別荘地を散歩してとあるので、この星野温泉は軽井沢の星野温泉のことなのですが、これは今は星野リゾートとなった原点の温泉旅館です。寺田寅彦が泊まっていたというのも面白いです。

 

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【7月28日】

2023-07-28 | 文庫

中学の国語の教科書は文学作品から随筆までいろいろな文章が載っていますが、科学者の書いた科学随筆ということで、教科書名短編というのを読んでいます。科学者の名文家といえばまずは寺田寅彦、そして中谷宇一郎、湯川秀樹が有名です。まあ昭和以前の人たちですね。寺田寅彦は夏目漱石とも親交のあった人です。お茶碗に注がれたお湯の湯気から雨上がりの地面から上がる湯気、そして日の当たる陽炎、上昇気流まで話題は広がります。庭の楓に蓑虫が大量にぶら下がり、それを50近くも集めてみたら、生きているのものあり、蜘蛛にやられて死んでいるのもありという話もあります。中学の国語の記憶など全然ありませんが、こういう文章を読んだのだなあと思いました。

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【7月27日】

2023-07-27 | 雑誌

歴史人8月号を読んでいました。江戸の特集で市井の様子、着るもの、食べるもの、水(水道)などの話で、これ一冊で江戸が分かりますという特集でした。そこそこの商家に丁稚で入ると、才覚があれば順調な出世で大番頭まではなれるのですが、40歳くらいが定年でその後は自分で商売を始めるなり何なりと、ということだったそうで、人生50年ならそんなものかと思いますが、長生きすると(年金もないし)辛いものがあったのではと思いました。

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【7月26日】

2023-07-25 | 電子書籍

元文・享保の漂流記と天明・寛政の漂流記を中心にして鳥島で起きた難破の話でしたが、この後天保の頃にはあのジョン万次郎も漂着しています。万次郎は4カ月でアメリカの捕鯨船に助けられて、明治維新に活躍しました。天明・寛政の漂流記と同じとき、伊勢からアリューシャンに流された人がいて、大黒屋光太夫としてロシアを漂流しエカテリーナ二世に謁見しました。これは井上靖の歴史小説になっていますね。また、天明・寛政の漂流で最初の漂着者長平を主人公とした漂流という作品が吉村昭が書いています(北大路欣也主演で映画化もされました)。ロビンソン・クルーソー、十五少年漂流記に代表される漂流記は何を読んでも面白いです。この本は物語と題されていますが、ノンフィクションに近いものです。

「新編 鳥島漂着物語 18世紀庶民の無人島体験電子版」小林郁 天夢人

 

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【7月25日】

2023-07-25 | 電子書籍

今どきは沈没しない限りは航海で漂流することは滅多にありません。GPS救難信号を出していればどこかの無人島に着く前に助けが来ると思います。しかし、不運にして無人島に漂着したら(飛行機の不時着陸だとありそうです)そこで生きていけるでしょうか。湧水を探し、海藻を食べカニなどを貪り食うしか生きるすべはない気がします。火をおこすことすらできないでしょう。鳥島の漂着者たちはアホウドリの羽を茅を使って衣服に仕立てたり、無くさないでいた火打石で火をおこし、やはりアホウドリの羽と茅を使ってふいごを作り、残っていた鉄くぎを溶かして新しい釘に仕立てたりし、流木を集め(3年くらいかかった)船を建造し島を脱出します。すごい精神力です。

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【7月24日】

2023-07-24 | 電子書籍

鳥島漂着物語2日目。鳥島というところはどうしてこんなに難破船が集まるのでしょう。太平洋岸を行きかっていた商船は大しけに会うとあっと言う間に難破してしまいますが、やはり黒潮に乗ってどこまでもというケースが多いようです。黒潮は東から西に流れているわけですが、意外にも紀州とか土佐に流れ着いた例もありました。そしてフィリピンとか中国という例もありましたが、やはり伊豆諸島を南下することが多いようです。小笠原にも漂着しましたが、多くは船を直して北上の途についています。しかしそれでも鳥島に着いてしまうことが多いようで、漂着記録は鳥島関係が多いようです。

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【7月23日】

2023-07-23 | 電子書籍

八丈島と小笠原諸島の中間ぐらいに鳥島があります。かつてアホウドリが数百万羽生息していたのに明治期に輸出用の羽毛として殆どを撲殺(アホウドリは人を怖がらない)、絶滅の危機に瀕したものの、戦後、島が火山活動のため無人化したこともあり手厚い保護の結果、現在かろうじて生き残っています。鳥島=アホウドリのイメージなのですが、もともと無人島であった鳥島は江戸期の漂流譚が多いのです。あのジョン万次郎もこの鳥島に漂着しました。鳥島漂着物語という本を見つけて読み始めました。この本では江戸時代に起きた2つの漂着記録を紹介しています。無人島での暮らしはロビンソン・クルーソーが世界で最も有名ですが、文学作品にならなかった漂流記も日本にはあります。今日は享保の時代に鳥島漂着最長記録21年の話を読みました。江戸時代までの和船はそもそも外洋航海に適しておらず(キールといわれる竜骨がない)、波に翻弄されることが多いのですが、千石船といわれる最大級の船も時化に合うと帆柱を切ってしまうことしかできず、その後は潮の流れに身を任せることになります。

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【7月22日】

2023-07-22 | 単行本

長らく読んできた教養の化学をようやく読了。副題は暮らしのサイエンスということで、マイアミ大学の先生が書いた、化学専攻でない学生の1学期分の教科書というものです。一般教養(今の日本の大学には無いそうですが)的な化学書です。でも社会人が学び直しに読むにはちょうどいいかな、化学とはこういうものなのかということがわかる本でした。絵や図版が多くわかりやすいですが、少なからず化学式が出てくるのでそれなりの素養を持っていないといけないですな。

「教養の化学」D.P.Heller・C.H.Snyder 東京化学同人

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