ピエール・ブーレーズ(Pirre Boulez)がこれまでにレコーディングしたストラヴィンスキー舞踊音楽「春の祭典」は全部で3つある。それらは録音年代順に1963年の「フランス国立放送響」(コンサート・ホール盤/1963年度仏ACC&ADFディスク大賞受賞)、1969年録音「クリーヴランド管」(CBS盤/1970年度日本レコード・アカデミー賞受賞盤)、そしてその後20年余りが経過して録音された「クリーヴランド管弦楽団」との1991年の再録音盤(DG盤)である。いずれも大変素晴らしい演奏でその中でどれが「ベスト盤」とは言えないが中でも筆者は発売当時その演奏が目が覚めるような衝撃的な印象を受けた1969年録音、最初の「クリーヴランド管弦楽団」とのLPを今でも過去に紹介済みの「カラヤン盤」と共に愛聴している。勿論このレコードは発売当時から話題を呼びこれによって指揮者ブーレーズの名を世界的に浸透させた「エポック・メーキング的」な1枚のレコードだったのを思い出す。写真はその国内初出のCBS・SONY盤(SONC-10215)である。録音当時、ブーレーズ44歳の若さあふれる鋭敏なリズム感、緊迫感の伝わる演奏が魅力である。また当時はよく自分のステレオ再生装置のチェック用レコードとしてもよく使用した1枚でもあった。
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