私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

バレンボイム&シカゴ響の「ロシア管弦楽曲集」

2013-01-28 11:30:42 | 管弦楽曲

 写真のLPは昨年、ミラノ「スカラ座」の芸術監督に就任したダニエル・バレンボイムが1977年に「シカゴ交響楽団」と録音した「ロシア管弦楽曲集」(独グラモフォン 2536 379)である。 今や巨匠の風格がでてきたバレンボイム、30代の録音だが世界のヴィルトーゾ・オーケストラ、「シカゴ響」の魅力をたっぷりと聴かせた1枚だ。 収録作品はボロディン/歌劇「イーゴリ公」から「ダッタン人の踊り」、リムスキー=コルサコフ/序曲「ロシアの復活祭」、「スペイン奇想曲」、ムソルグスキー/交響詩「はげ山の一夜」の4曲である。いずれもバレンボイムの初録音で現在も再録音はしていないと思う。バレンボイムはレパートリーの広い指揮者の一人だがこれらの「ロシアもの」も彼の巧さが随所にでた演奏である。当時、「シカゴ響」の音楽監督はゲオルグ・ショルティ、バレンボイムは1991年にショルティの後任としてこのオーケーストラの音楽監督を引き継ぎついだ。因みに現在の音楽監督はリッカルド・ムーティである。


「トスカニーニ&NBC響」 ライヴ盤から

2013-01-11 15:13:44 | 管弦楽曲

 先に「英dell'Arte」レーベルからストコフスキーのCDリマスター盤を取り上げたが今日は同レーベルよりアルトゥーロ・トスカニーニのライヴLP盤を紹介したい。写真はその1985年にリリースされたトスカニーニ&NBC交響楽団の放送音源ライヴ盤からの1枚である。(英dell'Arte-DA9014) 収録された作品はチャイコフスキー/幻想序曲「ロメオとジュリエット」(1953年3月21日録音)、交響幻想曲「テンペスト」(1944年3月12日録音)、ムスルグスキー/歌劇「ホヴァーンチナ」前奏曲(1953年12月13日録音)、リャードフ/「キキモラ」(1952年7月26日録音)の4曲である。このうち「テンペスト」のみ「ニューヨーク8Hスタジオ」における放送収録で他は全てカーネギー・ホールにおけるコンサート・ライヴ録音で聴衆の拍手入りである。全てモノラル録音だが音質はこの時代のものとしては良好で演奏もまずまずといったところ。またトスカニーニの「テンペスト」はこれが現在のところ唯一の音源か??


ウルフ・ビョルリンの「ベルヴァルド/交響曲・協奏曲・管弦楽曲集」

2013-01-10 19:07:16 | 管弦楽曲

 フランツ・ベルヴァルド(Franz Berwald/1796~1868)はスウェーデン、ストックホルム出身のヴァイオリニスト、作曲家だが日本ではまだまだ馴染みが薄い。彼の作品はドイツの前期ロマン派の流れを汲みその作風は極めて個性的である。4つの交響曲をはじめ協奏曲や交響詩、室内楽、さらにはオペラも作曲している。しかしこれらの作品は日本ではコンサートに取り上げられる機会は極めて少ない。今回、紹介する写真のCDはベルヴァルドの4つの交響曲、ピアノ、ヴァイオリン各協奏曲等々、主要管弦楽作品を集めた3枚組みCDである。(写真ー英EMIクラシックス/5 00920 2)

 演奏はスウェーデンの指揮者、作曲家でもあるウルフ・ビョルリン(Ulf Björlin/1933~1993)がロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団と1976年に録音した貴重な記録で3枚組みCDとして2007年に再リリースされたものである。4つの交響曲作品もさることながら普段コンサートでは聴く機会がない若きベルヴァルドが書いたヴァイオリン協奏曲嬰ハ短調(1821年)や59歳の時の作品ピアノ協奏曲ニ長調(1855年)が収録されていることは大変興味深い。

 


「佐藤菊夫シンフォニー・コンサート」

2013-01-08 18:27:59 | 管弦楽曲

  写真は「佐藤菊夫シンフォニー・コンサート」と題する「東京交響楽団・自主制作盤」2枚組みLPレコードで今から20数年前に入手したものである。彼は「東京交響楽団」とは縁が深くかつてトロンボーン奏者としてこのオーケストラに入団その後1957年に「ウィーン国立音楽大学」に留学、指揮をハンス・スワロフスキーに師事した。帰国後、「東京交響楽団」と定期的に「佐藤菊夫コンサート」と銘打ったコンサートの指揮台に立ち、筆者も何度か会場に足を運んだことがある。このレコードにはホルストの組曲「惑星」とR.シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」が収められている。録音は前者の「惑星」が1981年5月26日、日比谷公会堂、後者の「英雄の生涯」は1983年12月5日、五反田の「ゆうぽーと簡易保険ホール(当時)」において行われたものだが会場のノイズはほとんどないのでコンサート・ライヴではないようだ。また後者はデジタル録音と記載がある。録音は「東京放送(TBS)」によるものでレコード製作は「ポリドール」となっている。今回久しぶりに針をおろしたが演奏もなかなか興味深かった。「東京交響楽団」のレア盤の1枚と思われる。(ポリドール/MI2435-36/ステレオ)

 


ストコフスキー、ステレオ初期の名盤 - チャイコフスキー 「フランチェスカ・ダ・リミニ」ほか

2013-01-06 16:49:00 | 管弦楽曲

 レオポルド・ストコフスキー&ニューヨーク・スタジアム響によるチャイコフスキーの幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」、幻想的序曲「ハムレット」がイギリスの「dell'Arte」レーベルからCD化されたのは今からもう四半世紀前のことになる。(写真/英dell'Arte-CDDA9006/1958年録音) この音源はステレオ初期に「35ミリ・マグネチック・フィルム」によるステレオ・ハイファイ録音のトップを切った「米エヴェレスト」のLPである。オリジナルLPは1959年に同社の第1回新譜の1枚だった。今聴いてもそのサウンドのクォリティーの高さに頷けるものがある。ストコフスキー指揮によるこの二つのチャイコフスキーの管弦楽作品は人気度からすれば「ロメオとジュリエット」などに比べイマイチの感は否めないが彼の魔術にかかれば不思議に耳をひきつけられてしまう。また数年前にはご本尊の「米エヴェレスト」からオリジナルLPジャケット・デザインでCD復刻されている。


モントゥー最晩年の録音から 「ラヴェル管弦楽曲集」

2013-01-05 12:47:31 | 管弦楽曲

 写真のLPはピエール・モントゥー&ロンドン交響楽団によるモントゥー最晩年の録音からラヴェルの舞踊音楽を集めた管弦楽集である。 レコードには「ボレロ」、「マ・メール・ロワ」、「ラ・ヴァルス」の3曲が収められている。1964年2月の録音でモントゥーが亡くなるおよそ5ヶ月前であった。また「マ・メール・ロワ」は組曲版ではなく前奏曲と「紡ぎ車の踊りの情景」、「間奏曲」を加えたバレエ音楽全曲版による演奏である。考えてみるとモントゥーのラヴェルの録音は意外にも少なく「ボレロ」はこれが唯一のもので他の2曲もモノラルSP時代のもの(「マ・メール・ロワ」は組曲版の「一寸法師」)があるくらいである。それだけにこのロンドン響とのステレオ録音は貴重なものである。 (写真/フィリップスー英国盤初出/SAL3500)

 


セラフィンの「ロッシーニ/オペラ序曲集」

2012-12-26 17:50:33 | 管弦楽曲

 トゥリオ・セラフィン(Tullio Serafin/1878~1968)はイタリア・オペラ指揮者界の巨匠だった。彼は戦前から戦中にかけ「ローマ歌劇場」の芸術監督を務めその黄金時代を築いた。戦後も亡くなるまでこの劇場の芸術顧問を務めている。写真のLPは彼が劇場専属の「ローマ歌劇場管弦楽団」と「ドイツ・グラモフォン」に1963年録音したロッシーニの序曲集である。(写真/DG国内盤ーSLGM-1287)

 LPにはロッシーニの代表オペラ、「どろぼうかささぎ」、「絹のはしご」、「ウィリアム・テル」、「セヴィリアの理髪師」、「セミラーミデ」の各序曲と「セヴィリアの理髪師」から第2幕第2場で演奏される「嵐の音楽」が収録されている。当時として録音も大変素晴らしくイタリア・オペラ指揮者の名人芸を味わえる一聴の価値ある1枚だった。


「コンセール・ラムルー管弦楽団」のライヴ盤から

2012-12-12 18:01:25 | 管弦楽曲

 写真のCDは仏マイナー・レーベル「FORLANE」の「コンセール・ラムルー管弦楽団」によるドビュッシー、ラヴェルの管弦楽曲を集めたライヴ盤である。(FORLANE-UCD1655) 指揮はジャン=クロード・ブルネード、日本では知る人ぞ知るほとんど無名に近いが彼はこのオーケストラの首席指揮者を1979年から1991年まで務めている。またヴァイオリニストとしても定評がある。

 録音は1986年3月、楽団の本拠地パリの「サル・プレイエル」におけるライヴとあるが聴衆の拍手は収録されてない。また会場のノイズもほとんど聞き取れないのでゲネ・プロ等も併せ編集されたものと思われる。収録作品はドビュッシー/交響詩「海」、ラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」、「ボレロ」、「ラ・ヴァルス」とどれも数多くの名盤が存在しいまさら説明も不要だが「パヴァーヌ」を除く3曲はいずれもこのオーケストラが初演した作品であることを付け加えておきたい。

 

 


ノイマン&チェコ・フィル - スメタナ「わが祖国」1974年東京Live

2012-11-23 14:48:03 | 管弦楽曲

  昨日に続きもう1枚スメタナ「わが祖国」ライヴ盤を取り上げてみたい。写真は今年初CD化されたヴァーツラフ・ノイマン&チェコ・フィルによる1974年来日時の東京でのライヴ録音である。(1974年6月30日/東京文化会館) これは当時「FM東京」の「TDKオリジナル・コンサート」公開録音音源で筆者も応募したがなにしろ11万人を超える応募があったとのことで抽選に外れてしまった思い出がある。ノイマン、チェコ・フィルによる本場の演奏が無料で生で聴けるとあって想像を超えた応募はうなづける。

 この演奏は当時その後二週に渡り放送されエア・チェックされた方も多いと思うがこの時の演奏が日本における「チェコ・フィル」による「わが祖国」全曲初公演だった。またこのコンビによる同全曲ライヴ盤にはこのほか1982年11月5日、東京文化会館でのライヴ盤(日本コロムビア)もある。

  

 


アンチェル、スメタナ「わが祖国」ライヴ盤 (1968年「プラハの春」)

2012-11-22 17:16:51 | 管弦楽曲

 本日紹介するCDはカレル・アンチェル(1908~1973)の1968年の「プラハの春国際音楽祭」開幕コンサート(5月12日)におけるスメタナ「わが祖国」ライヴ盤である。「チェコ・ラジオ」ステレオ音源からCD化されたもので2005年に公式リリースされたものである。(写真/Radioservice-CR0292-2-311) アンチェルには以前紹介ずみの1963年スタジオ・ステレオ録音(スプラフォン盤)の名盤もあるがこのライヴはさらに緊張感ある鋭角的な演奏が聴ける。もちろん管弦楽はどちらも「チェコ・フィル」である。

 ところで1968年はこのコンサートの約3ヶ月後にいわゆる「チェコ動乱」が勃発した。これによりチェコの自由化運動は弾圧されこれを機にアンチェルは「チェコ・フィル」首席指揮者を辞任、カナダに亡命した。その後彼は翌1969年より「トロント交響楽団」の首席指揮者となり北米を中心に活躍した。したがってこのコンサート・ライヴ録音は彼が「チェコ・フィル」を指揮した最後のものではないかと思われる。