毎日が観光

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フランス2

2016年12月17日 20時32分39秒 | らくがき


 先日、フランス2夜8時のニュースを見ていて感心したことが2つ。一つはギリシアの年金問題で、緊縮財政中のギリシアが低所得者に一時給付金を出すという報道。これに対して「ギリシアはサンタクロースの役割をするのでしょうが、他のEU諸国は鞭打ち爺さんの役割を果たすことになるでしょう」と。気前のいいギリシアとそれを懲らしめるEU諸国ということを言い表しているんだけれど、これは、戦後サンタクロースがクリスマスに台頭する以前は冬至という光が最も弱まる時期には異界から異神が立ち現れて秩序を混乱させ、そして冬至から光が徐々に強まるにつれ消えていくというヨーロッパの古い伝承に基づいていて、その中の鞭打ち爺さんは、子どもたちにプレゼントをあげるなどもってのほか、子どもたちを貪り食らうサトゥルヌス神が原型(ゴヤにすばらしい作品がありましたね)という恐ろしい異神。しかしその中にアンビバレントな存在として子どもを守る部分がセットとしてあって、それが…… という話は興味のある方はレヴィ=ストロース「火あぶりにされたサンタクロース」を是非。そうした古い伝承が比喩として現在でも通用することに感心したのでありました。
 もう一つはラスコー4完成のニュース。ラスコー洞窟の完全な複製洞窟がいよいよ完成と(いま日本に来ているのは巡回型のラスコー3)。これが日本のニュース番組だったらヘルメット被った女子アナがラスコー4の中で、解説役の中高年の男性から説明を受けて、感心してびっくりするという地獄絵図が展開されそうなのに、ナレーションで淡々と、しかし、なかなか深い内容の解説をしていて大変感心したものでありました。
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