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全館輻射熱冷暖房住宅システムの開発者・福地建装・代表取締役会長
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正倉院と茅葺屋根…北斗市

2008年05月17日 17時14分33秒 | Weblog
木材が空気に触れていれば腐朽菌が発生する事などありません。
宝仏殿の正倉院は1000年もの寿命を誇っていますが、構成する木材の全てが常に空気に触れるように造られております。このように日本の家屋は常に自然通気を重んずる、開放の文化が根付いて参りました。その昔、日本の家屋の殆どが「茅葺屋根」によって造られておりました。開放したままで夏の涼しさと、冬の暖かさを保つ機能を有していたからです。

当然、密閉する事で通気を止め、構造体を腐食させる確率が高くなります。
常に空気に触れさす事で家の健康と住む人の健康を保持して来たからなのです。
一部の工務店が宣伝している「低気密、高断熱」のトークは、あたかも夏涼しくて、冬暖かさそうなイメージを一般消費者に与えてしまいます。

私達も当初は密閉空間に少なからず抵抗があり、様々な試みをして参りましたが、暖かい家づくりには、断熱材を厚くするより、気密の方がはるかに効果的である事を実証してきました。暖房で空気を暖めると膨張して膨らみ、人が家屋内で生活すると生活発水をするため、湿圧がかかり、小さな隙間から暖かい熱が逃げ、冷たい空気と入れ替わります。

ビニールハウスを事例にあげると判り易いのですが、真冬に断熱性能の全く無いビニールで完全に温度管理を行なっています。つまり気密性能だけで気温を保っていると言えます。
ところが家の気密性能を高める技術が至難の技が必要となります。特に大量に家を売っている住宅会社では、気密性能を持たせる施工技術が伴っていないとも言えるのでしょう。

低気密の家しか造れない工務店やハウスメーカーが、このようなセールストークを言っているとしたら、とても無責任な営業手法と言えます。
木材や建材を動く空気に触れるようにして家の仕組みを構成して行く事が必要です。
まさに茅葺屋根の思想を現在の家づくりに生かす工夫が求められていました。
写真は正倉院ですが、湿気の多い時、井桁に組んだ木材が膨らんで隙間が埋まり、宝物を湿気から護るのだそうです。

茅葺屋根は、萱に含んだ雨水を、夏場の気温や太陽熱での蒸発気化熱で家屋内を冷やし、真冬のカラカラの空気を潤いを持って人の身体から熱が奪われないようにしたのです。正倉院も茅葺屋根も日本人の先人達が培った高度な匠の技なのですね。

月曜日に東京経由で足利市に行き、分刻みの一週間でした。
今日、この時間、此処から見える今の函館山は春の夕日を浴びて気持ち良さそう…
明日の日曜日は休養が出来そう…
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