今日は母の入居施設に紙芝居と歌のボランティアさんが訪問されると聞き、いつもより早く行きました。
開始30分前。母も含めて何人もがすでに移動させてもらい客席?に並んでいました。
歌が好きなことをスタッフさん皆が覚えてくださっているからだと思うのですが、母は一番前に、その隣には私のための椅子も用意してくださっていました。
一番前は申し訳ないなぁ・・・と思いながらまっすぐ母の横に行き「来たよ~おはよう~!」と肩に触れながら声をかけると・・・
あらら、暗く表情がこわばっています。そして「なんだか怖いよ。いやだよ。恐ろしい!」と言うのです。
その時・・・離れた場所から声が響きました。言葉があいまいで聞き取りづらいながら、ちょっと悲痛な入居者さんの大声が・・・
それを聞いたとたん母は「あぁ~怖い。恐ろしい・・・」と。ちょっと前からその声が何度か響いていたようです。
目の見えない母は、聞こえる音や内容にとても敏感です。
家にいた時も、不安になるような ニュースやドラマのセリフや音を聞くと、途端に落ち着かなくなりました。
母の不安や緊張はその方が叫ぶのをやめてからも無くならず。手を握って明るく話しかけ、楽しい歌や紙芝居をしてくれる人たちが来てくれるよ~と話しても
「そんな恐ろしいのは私いやだよ。怖いよ~」と暗く固まったまま・・・
気分を変えようとしながら30分過ぎても「怖さ」は消えません。なんでもすぐ忘れるのに、不安や恐怖は簡単に消えていかない。認知症って難しい。。。
こんな不安定で不機嫌な母が一番前にいたらボランティアさんにも申し訳ない・・・困ったなと思っていたら・・・
後ろの車椅子のかたの「あぁ、ここじゃ見えないわ」という悲しそうな声が!!
天の声とばかり「あ、変わります変わります。母は目が悪くてせっかく前にいても見えないので。どうぞどうぞ」と後ろへ。
会が始まりましたが・・・
紙芝居の中の「川の流れが激しくて」とか「大きな鬼が」とかいう言葉にまた「どうしてこんな怖いこと言うのぉ?」と言い始め、なだめるのが大変。
ハッピーエンドもよく理解できず。。。💦
頼みの歌は・・・歌詞を見なくても歌える歌ばかりで母は口ずさんではいましたが、最後まで表情はこわばったまま。
入所後初めてのボランティアさん訪問だったのに、ちょっと残念でした。
グループのお名前はよく聞き取れなかったけれど、お寺の住職さんが代表をされているボランティアグループだそうで、
今日は法事で来られなかったけれど、来られるときは最後に有難い講話もしてくださるそう♪
今日は歌はアカペラだったけれど、キーボードを弾く方も会にいらっしゃるそう。
二か月後にまた来てくださるということなので、その時には母も明るく歌ったり聞いたりできるといいなぁ・・・
他の皆さんは、一生懸命聞いたり歌ったりする方も多くて、
あたたかくて楽しい30分の会でした。
ボランティア訪問する側になることもある私にも、いろいろ勉強になりました。
その後、気分が変わるように母の部屋に行っておやつを食べたり、手をつないでたくさん歌っているうちに、
やっと表情が和らぎ笑顔や笑い声も出るようになりました。
不機嫌な時にはトイレに連れて行っても立ち上がる力が全く出なかったのだけれど、
機嫌が直ってからはちゃんと手すりにつかまって立ち上がれて、いつものように排便もでき、
その後の昼食も、いつものように意欲満々で完食。
食後は、いつものようにスタッフさんが食堂のテレビで童謡唱歌のyoutubeを流してくださり、
同じように認知症だけれど歌が好きで笑顔の優しい方と手をつないで、機嫌よく歌声を響かせていました。
毎日そうやって歌う姿を見ながら、私は安心して帰ることができるのでした。
母の施設で自分がボランティアとして何人かでも楽しんでいただけることができないかなぁと
思った一日でもありました。
おまけ・・・・
ずっと娘の立場だった私に
娘ができて 初めての母の日に もらった 手作りのアレンジメント
手作りって 嬉しすぎて いつも玄関で にやける私・・・