3月まで勤務していた高等支援学校の学校祭に行ってきました。
昨夜遅かったため、アルコールが抜けきった時間に出発
卒業生を始め、何人もの懐かしい顔に出会えて、嬉しいひととき・・・
でもゆっくりしている時間がなく、
一番観たかったステージ発表会場へ急ぎました。
すべて観たかったのですが、
3学年の合唱から・・・。
すぐに、子どもたちの歌声、歌う姿にうるうるしてしまいました。
1学年のダンスは、みなリズム感抜群で、みんなスカウトされちゃいそう
そして、今回大注目の、2学年の演目・・・「花咲き山」の群読劇です。
わぁ、切り絵は生徒たちが作ったとか。上手です。
しかも、ステージ横上方に、くっきりと映し出され、効果的~!
「花さき山」は、斎藤隆介さん作、滝平二郎さん画のコンビで、何冊も出ている絵本の中の1つ。
思えば大学生の頃、「ベロ出しチョンマ」やこの「花さき山」「八郎」「三コ」「モチモチの木」が大好きで、
影響されて、真似にもならない下手~なお話を書いたこともあります。
だから、なおさらとても楽しみにしていました。
でも、群読を効果的に、ステージの演目に仕上げる難しさも、多少はわかっているつもりです。
和太鼓担当の生徒たちが力強くリズムを打ちならして、
物語の始まりの雰囲気を作りだし・・・
朗読担当の生徒たちが登場します。
左右に分かれたひな壇に、みんなとても良い姿勢で座っています。よしよし。
おお、黒い台本。
そして、中央にステンドグラス風の切り絵の背景。
この左上の壁面に、先ほどのような生徒の切り絵が投影されています。
とても見栄えのする配置です。
スポットライトを浴びて、たくさん練習しただろう明瞭な声で、上手に朗読する生徒たち。
背景の花が浮かび上がり、幻想的な雰囲気も作りだされ、とてもきれい
う~ん、この何枚もの切り絵・・・、しかもとっても細かなところまで上手に作られていて、
苦労がしのばれます・・・生徒の、そして指導者の。
どんなに上手でも、朗読が長い時間続くと、観客はどうしてもあき始めます。
でも、さすがです!
とても良いタイミングで、お話の中のお祭りを表現した演舞が入りました!
和太鼓も再び登場。
にぎやかな盛り上がりです。いや~うまいわ。
あぁ、旗も、衣装も、なるほど~!(ひとりにっこり)
群読の担当さんたちは、ちゃんと黒い台本で隠れています。いいねいいね!
そしてふたたび、ストーリーが進みます。
主人公あやは、花さき山に、自分の花が咲いていることを知ります。
妹のために我慢をした優しい気持ちが咲かせた花。
切り絵にも色が入り始めました・・・!いいね~。
さて・・・ここが斎藤隆介さんの面白いところなのですが、
「花さき山」には、他の絵本作品の主人公である「八郎」や「三コ」のことも、
ちらりと(だと思ったのですが)出てくるのです。
それを、このステージでは膨らませて、
二人が生き生きと登場します!
村人や小さな子供のために、
わが身を投げ出し
村を飲み込もうとする海を鎮める八郎。
おお、舞台照明が変わり、
海がブルーにライトアップされた布で表現され、観客をひきつけています。
これも素晴らしい!
八郎と同じく、村人のためにわが身を投げ出し、
山火事を鎮める三コ・・・。
今度は赤の照明。切り絵の炎の赤も効果的~
(これは道徳的な 「自己犠牲」のお話?三コも八郎も、人のために尽くしたのに、
結局本人は死んでしまうなんて・・・ちょっとひどい。かわいそう。)
大好きながらも、若~い時は、そう思って悲しんで読んでいました。
でも今は違うなぁ。
今まさに、海に沈まんとする大男の八郎が、泣いている男の子に叫びます。
「わかったぁ!おらが、なしていままで、おっきくおっきくなりたかったか!
おらは、こうしておっきくおっきくなって、
こうして、みんなのためになりたかったなだ、んでねが、わらしこ!」
・・・犠牲ではないんですね。
八郎は、人のために自分を生かすことが、自分の生きる使命、生きる喜びであると気づいたのです。
それは、その時まさに、生の意味を見いだせたということ。
こんな充足した最期はありません。
あぁ、「塩狩峠」まで思いだしてしまいます。あれは、婚約者はどうなるんだ~!と言いたくなりますが、
八郎も三コも、(たぶん)家族や婚約者など出てこないから、すっきりです。
話がそれましたが・・・
とにかくそんなわけで、
八郎の、人並み外れた体の成長は、魂の成長の象徴であったと思わせる、
この重要なセリフ・・・!
「花さき山」には出てこないこのセリフを、
ここに盛り込んだ台本制作者よ、あっぱれ!!!
と私は叫びたかった!ので、今ここで・・・
あ、なにやら先ほどまで黒一色だった台本の前面に・・・!
花さき山の「あの花」が咲いているではありませんか。
朗読する生徒たちの心にも、こんな花のともしびが、灯ったかのようです・・・
素晴らしい!
かくして・・・誰も知らないこの世の秘密・・・
人知れず善いことをした者には、花さき山に美しい花が咲く・・・
言い換えると、誰にも気づかれなくても、総ては必ず天の知るところとなる・・・
ということを知ったあやは、素敵な大人に成長するでしょうし、
八郎に助けられた村の子どもは、八郎のような心の大人を目指して生きるようになる・・・
ということで、
本当にメッセージ性のあるお話なのでした。
そして、それを、
素晴らしい構成の群読劇に仕上げています!
めりはりあって、よかった~!生徒も上手でした~!
近くで見ていた卒業生のT君が、ステージが終わるなり私の方を見て、
「いや~うまかったですね!いい劇でした!」と感動を伝えてくれました
他の発表もそうですが、
こんな素晴らしいステージ発表が出来上がるまでには、
関係者以外にはわからない、
数カ月にも及ぶ先生方の努力の数々があります。
生徒を輝かせることができる企画を生み出さなければならない。
練習計画を綿密に立て、
個性も能力も家庭環境も精神状態も体調も様々な生徒たちを、
褒めたり励ましたり・・・しながら目指す方向へ引き上げるための練習を重ね、
衣装を作り背景を作り生徒にも作らせ、
その間にも、生徒たちにはいろいろなことが起こり、
すんなり事が運ばないことも多く・・・
当日参加できない生徒の対策も考え、
照明や効果音や小道具大道具やそれらのタイミングや・・・
とにかくたくさんたくさん心身のエネルギーを費やしてきた、
その結果としてのステージなので・・・
大成功で、本当に良かった・・・
本当に本当にお疲れさまでした~!
そして、今日の大成功で今日までの苦労が報われたと、
苦労した先生たちは今ころ充足感に浸っているかな~と想像しながら、
私も幸せな気持ちにさせてもらっているのでした
ブラボ~!
※この群読劇『花さき山』の台本をご希望される方がいらっしゃいましたら、左側の「メッセージ」へ、ご一報ください。その際PCアドレスを明記してください。
制作者さんのご好意で、台本をPDFでデータで送信することが可能です
追記
今まで、十数件ご依頼があり、そのすべてに2,3日以内に台本送付してきましたが、
こちらからのメールが迷惑メールフォルダに入ってしまうことがあるようですので、
どうぞお気をつけください。
また、ご依頼の際には、県名や学校名、行事名なども記していただけると嬉しいです。
事務的に依頼メールがあるだけで、送信しても、それきりという方がほとんどで、
なんだか少し淋しい思いがしております。(2017.7.25追記 みやび)
絵本を読み込んで読み込んで、場面をより抜いた甲斐があったと言うものです。
誰に褒められるよりも、宮美様に褒めて頂けるのが一番嬉しい!!
だってね~。生徒の姿勢や台本を黒くしたことや、演舞の時に顔を隠してたことなんて…そんな細かい事まで気づいてくれるなんて、ホント嬉しい!
そして、いくら3月まで現場にいたからと言って、指導の苦労をこんなにわかって下さるなんて…。見てたの?!って言うくらい、当たってます。
でも、今回は生徒も先生も手応えがはっきり感じられたようです。先生方は最後の最後まで指導を入れ、生徒は不貞腐れずによくついてきました。
構成も、よくぞ気づいてくれました!!
50人からの生徒をどうやって目立たせ、群読に飽きさせずに最後までもっていくか…。
うーん、さすが宮美様~。
差し入れもありがとうございました~!!みんなで美味しく頂き、そしてみんな会いたがってましたよ~。
昨日の大成功は、頑張ったことへの何よりのご褒美ですね
それにしても、ほんとうにみごとでした!
台本がしっかりしているのはもちろんのこと、細部にわたって綿密に考え込まれ、生徒たちに浸透していましたね。
最後に、演じた生徒が客席に降りてきて、手作りのしおりを配って行ったのにも感心いたしましたその弾むように走り去る姿は、やり遂げた誇らしさのようなものを、まとっていましたよ~
野心的な若い現役の頃なら、きっとhoneyに嫉妬したかも~なんて思わせるくらい、素晴らしいステージでした。
企画書販売したいくらいだね
今日は余韻に浸ってのんびりしているかしら・・・
素晴らしい舞台ですね。
沢山の美しい写真のアップと熱い文章には、こちらも引き込まれてしまいました。
それにしても、青から赤の照明の美しいこと。
大変な準備であったと思います。
honey様、お疲れ様でございました(^-^)
『それは、その時まさに、生の意味を見いだせたということ。こんな充足した最期はありません』とあり、この物語はキリスト教的でもありますね。
『塩狩峠』の主人公も自己犠牲というよりも自己昇華に近かったように思えます。
みやびさんのおっしやる『誰にも気づかれなくても、総ては必ず天の知るところとなる』というくだり、心に刻まないといけません。
悪いことは日々慎まねば<(`^´)>
良いものを見させていただきました。
嬉しいコメントを・・・、しかもhoneyさんへのねぎらいの言葉までいただき、嬉しさでいっぱいです
どうもありがとうございます
それもこれも、宮美様の素晴らしい批評があったからこそ!!
感謝です~
台本をすでに送信済みです。届きましたらご連絡下さいね。
花咲き山で検索したら、辿り着きました。
発表会で花咲山にチャレンジしたいと思います。
まだ台本ありますか?
はい、台本制作者さんのご好意で、
いつでも送付可能です。
お問い合わせくださったかたの個人情報は、
ここでは公開しませんので、
どうぞPDFを送るアドレスをお教えくださいね。コメント欄でも、メッセージでも、どちらでも大丈夫です。
可能でしたら、群読の台本を私にもお譲り頂きたいです!良いものを継承して人々に感動を与えられたらと考えています☆
記事の最後にあるように、
送付先アドレスや
サイモン様の勤務先等々お知らせくださいますか?
個人情報記載コメントは、公開いたしません。