今、「女と仕事」(「仕事文脈」セレクション タバブックス) という本を読んでいるのだけれど、いろいろな職業の執筆者が、女性の目線で書いていて、それが成功体験みたいな眩しいものじゃなくて、リアルに感じていることを飾らずに綴っているので、素直に読めて心にスッと入ってきます。
その中で、すごく印象に残ったのが、ドラマの「あまちゃん」を女性の仕事という目線で見る、という記事で、それぞれの登場人物の女性が等身大でなにかしら仕事をしているけれど、誰かが帰って来れば誰かが東京へ出て行ったり、入っては出て、とみんな一緒というシチュエーションがないそうなんです。
存在と不在は裏と表で、誰かにとってみればその人がいることが、他の誰かにとってみれば、その人はいないということになる。
そして、震災後にやたらとうたわれた「絆」も、誰かにとっては強まり、でもその分誰かと弱まったり「絆は決して美しく万能ではない」という見解に至ります。
それを読んで、モヤモヤしていた原因ってこれだったのかー!と時間差でスッキリして視界が開けたような気持ちになりました。
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物事には裏と表が両方に存在する、というのは、どちらかにすごく光が当てられたとき、見えづらくなって忘れてしまうけれど、両方を同じように見られたら、苦しい、と思っていたこととか、漠然とした違和感とかに少し風が入るのではないか、と思いました。