アーユルヴェーダやヨガでは、自然界はプラクリティ(Prakriti)という基質でできていると考えてられています。プラクリティには3つの性質があり、その性質どうしの関わり合いによって自然の性質やエネルギーができているといわれ、その性質をグナ(Guna)といいます。それは、身体と心にも密接に関係しており、食べる物やライフスタイル、練習の感じや、考え方によって、その性質の傾向が増えたり減ったりし、逆にそれらの性質のバランスで、ライフスタイルや嗜好が変わってくるという相互作用があります。
◯Tamas (タマス)
Darkness(暗さ、闇、無知) , Inertia(惰性、無気力)
タマスが増加すると、無気力になったり、めんどうになったり、怠惰になる。身体の病気に対する抵抗力が弱まり、心は怒りや貪欲さなど、暗いもので覆われる。
タマスを減らすためには、タマスの多い食事、寝すぎ、食べ過ぎや、消極性、怠け心を持つこと、怖いようなシチュエーションなどを避ける。
タマスの多い食べ物: お肉、新鮮でないもの、添加物、加工食品、作られて時間の経った料理。
◯Rajas (ラジャス)
Activity(活動的)、Passion(情熱)、Cange(変化)、Movement(動き)
ラジャスは変化や活動のエネルギーをもたらしますが、増えすぎると活動的になりすぎたり、怒りやイライラ、興奮しやすくなったり、いつも頭が働いている状態でコントロールしにくい状態になります。
ラジャスを減らすためには、ラジャスの多い食べ物を減らし、働きすぎ、大音量の音楽や激しい音楽、考えすぎ、買い物や物の消費のしすぎに気をつける。
ラジャスを多く含む食べ物: 揚げ物、スパイス、辛いもの、コーヒーや紅茶などの刺激物、塩辛いもの、強いハーブ、急いで食べたもの
◯Sattva (サットヴァ)
Purity(純粋性)、Harmony(調和)、Balance(バランス)、Joy(喜び)、Intelligence(知性)
サットヴァを増やすためには、ラジャスとタマスを減らすこと、サットヴァの多い食べ物をとること、楽しむこと、喜びやポジティブな考え方で満たす。
サットヴァの多い食べ物: 穀物、豆、新鮮なフルーツ、野菜、土から生えたもの、ナッツ、はちみつ、ハーブティー、ミルク
サットヴァな食べ物は身体を健康にし、ピースフルな状態に保ちます。また、考え方を落ち着かせ、心をきれいにします。身体と心の調和を助け、エネルギーのバランスをよくします。また、ヨガの練習やライフスタイルにもいい影響をもたらし、また練習なども、身体や心をサットヴァな状態にするのを助けます。
参照: 「The Sivananda Companion to Yoga 」Foreword by Swami Vishnu Devananda
「アーユルヴェーダ入門」上馬場和夫、西川眞知子 著