エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

木犀に噎(む)せよ!

2014年09月30日 | ポエム
木犀の薫りは・・・君の吐息のようだ。



花言葉は「謙虚」である。
春の沈丁花、夏の梔子とならぶ薫りの気高さである。







「金木犀花の隙間の風染むる」







この季節でしか感じ得ないのが、追憶という深奥の孤独である。



木犀は、孤高ではない。
周囲を圧倒する訳でもない。

ただ静かに咲き、やがて零れていくのである。
その佇まいが良い。

あくまでも謙虚なのである。



馥郁と香るとか、甘い囁きだとか言うけれど・・・。
ぼくの記憶には、青春時代と刻まれている。







「木犀の薫りは君の吐息かな」








あの甘い、甘すぎる初恋の記憶である。
とりわけ・・・君が甘い。




       荒 野人