エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

古民家の息吹

2014年09月02日 | ポエム
古民家は呼吸する。
近づけば、息吹が聞こえるのだ。



玄関の顔。
百年を越える時代を生きて来た、古民家の顔である。

何人の人がこの入口を入り、出ていったのだろうか。
その積み重ねが、この玄関の顔を作ったのだと思う。



茅や藁、あるいは草などで屋根を葺く。
その素材によって「茅葺屋根」「藁葺屋根」「草葺屋根」と呼称する。
茅葺の中心的素材は「茅(ちがや)」である。







「蒼然と人を抱きこむ夏座敷」







こうした自然素材の屋根は、呼吸する。
しかも、中の空気は輩出し新鮮な空気を取り込むのだ。
そう言っても、雨などは通さないから快適な住空間が保障される。

紙と木と、草で出来あがっているのだ。
言い換えれば、自然の素材だけであるのだ。



だから、こうした自然素材で葺かれた古民家は長持ちするのだ。
丁寧に使えば、それこそ人の人生よりも長くこの世に存在する。

この古民家園には、奄美大島の建屋も保存してあった。



奄美では、村の中心にこうした建屋があって村人の交流の拠点となっている。
暑い昼でも、日影を作ってくれる。
人に優しい建屋である。



        荒 野人