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昔話村では、語り部から「昔あったずもな」で始まり「どんと晴れ」で終わる遠野の民話を聞きました。そのひとつにザシキワラシの話があります。ザシキワラシはこの地方の精霊で名前の通り人家の座敷や蔵に住んでいると言われています。
その家の住人からは見えないそうですが、他人からは見えることもあり、可愛い童女の姿をしていることが多いそうです。ザシキワラシが住む家は栄え、居なくなるとその家は没落すると言われています。そのとき聞いた話もザシキワラシに去られた大金持ち一家が毒キノコを食べて全滅するという話でした。
遠野から盛岡へ通じる遠野街道をしばらく走ると、石垣が積まれた上に山城のような大邸宅が見えてきます。絵はその千葉家です。代々栄えてきた富農ですが、きっとこの家にはザシキワラシが住み続けてきたのでしょう。
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三日前、東日本で巨大地震が発生しました。震源地の三陸沖から数百キロ離れた我が家でも激しく揺れ、棚からグラスやコ-ヒ-カップが落ちて割れたり、冷蔵庫の上に置いた電子レンジが床に落下して壊れました。原発がストップして電力が供給不足になったため、私の住む街でも数週間にわたって停電が予定されています。さっそく今日は延7時間20分の停電があります。好むと好まざるとにかかわらず、今は原子力なしには生きて行けない時代であることを再認識させられました。こんな非常時に、呑気にブログを書くのは気がひけるのですが、暗いニュ-スばかりで憂鬱な気分になっているのを変えたいと思って、停電の合間を利用してUPすることにしました。
旅行会社から送られてきた案内によるとこの5月に服部久美子先生と行くポルトガルスケッチ旅行が企画されています。ポルトガルスケッチというと必ず行くのが、ここオビドスとポルト。服部先生のツアーでもここに二連泊することになっているようです。
絵はオビドスの中心部にあるプチホテル。我々はほんの1時間ちょっとしか滞在しませんでしたが、スケッチツアーではこんなホテルに泊って終日絵が描けるのかと思うとちょっぴり羨ましくなりました。
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この日の夜、ナザレという街に泊りました。絵はそのホテルの屋上からの眺めです。朝日に照らされて家々の屋根や切り立った断崖が赤く輝いていました。4世紀にパレスチナのナザレから一人の聖職者がこの街にマリア像を持ち込んだことからこの名がついたとか。
夕食は海沿いのレストランで食事をしました。ロケ-ション」は抜群ですが、メインディシュに出されたのはイワシの塩焼き。大きな皿に盛られた3本のイワシをナイフとフォ-クでいただきました。
今回の旅行ではバカリャウという名のポルトガルの国民食ばかり食べさせられました。干した鱈を熱で戻したものにジャガイモやスクランブルエッグなどを添えたものですが、これにキャベツのス-プとデザ-トが付きます。一度くらいなら辛抱できますが、これがこの国に来て以来毎日出されるものですからたまりません。幸いにも私は体調を崩していたので、今までは何とも感じませんでしたが、風邪が治り食欲がでてくると貧弱な食事にがっかり。結局、この日のイワシが旅行期間を通じて最高の料理でした。
旅行4日目、朝起きると奇跡が起こっていました。昨日まで苦しんでいた風邪が治っていたのです。咳もしませんし吐き気もありません。少し大袈裟ですが、長旅で疲れて行き倒れになってしまうのかという思いもあっただけに、昨日までの状況が嘘みたいに感じました。さては(昨日ヤコブの門を通ったご利益があって)罪を許され、病気を治されたのは(相方ではなく)この自分であったのかと思うと気恥ずかしく思いました。
でもよく考えてみると、全ての罪が許されるというのはキリスト教徒であって、異教徒である私には関係ない話です。10年ぶりに門が開かれて大勢の信者や観光客が来訪したため、きっと聖ヤコブが罪を許す相手を間違えたのではないでしょうか。
絵はこの日訪れたアルコパサの街です。この街には世界遺産サンタマリア修道院があります。