旅の淡彩スケッチ便り

水絵描きと申します。旅と絵を描くことが好きです。国内外を旅行した思い出とともに旅先で描いた絵を載せています。

恋人の小径をゆくアン

2016年08月26日 | スケッチ
不思議なことが続いています。一昨日、仏間にしている二階の和室でバタバタと音がすると妻が言うので見に行くと障子と網戸の隙間にコガネムシが閉じ込められていました。手で捕まえましたが、そのときふと先週の蝉の件が頭をよぎりました。ひょっとして今度は父がコガネムシに姿を変えて帰ってきたのではないかと思ったのです。家の中に入りたいなら入れてもいいと思いましたが、食べ物がない家の中では長くは生きられません。光沢の強いきれいな緑色をしています。孫にやればきっと喜ぶでしょう。でもすぐに死なせてしまいそうです。やはり出してやるのが最善と思い外に放してやりました。

詩心のあるアンは島にやって来てひと月も経たない間に近くの景色を見ては名前をつけています。例えばブライトリバー駅からグリーンゲイブルズへ来る途中の白いリンゴの花咲く並木道を「歓びの白い道」家の近くの森を「お化けの森」等々。

グリーン・ゲイブルズハウスを後にしてその裏手の小道を歩きましたが、この道もアンによって『恋人の小径』と名付けられました。物語では、グリーン・ゲイブルズの果樹園の下から森をくぐり、カスバート家の農場のはずれまで延びていたそうです。アンと腹心の友 ダイアナ はこの道を通って学校へ行きました。道が赤いのはこの島特有の鉄分を含んだ土によるものです。アンが今にも出てきそうだったので絵の中に入れてみました。

グリーンゲイブルズハウス

2016年08月19日 | スケッチ
数日前のことです。朝早くから我が家の玄関ドアの前で家の中に入りたそうにしている蝉を見つけました。ドアを開けるたびに「入られたらどうしよう でも追い払うのは可哀そう」と思っていましたが、夕方息子がやって来てドアを開けた拍子にさっと中に入って玄関脇の和室に姿を消したそうです。この和室は家を新築したとき郷里の父母を引き取って暮らすときもあろうかと造った和室です。亡くなった母の亡骸を病院から引き取って安置したのもこの和室です。和室の近くには父母のために車椅子でも入れるようにした少し広めの二つ目のお風呂も設けました。しかしながら、父も母も一度も家を見ることなく旅立ってしまいました。母はこの家で一緒に暮らすことを楽しみにしていただけに心残りだったのだと思います。今はちょうどお盆。ひょっとして蝉に身を変えた母が帰って来たのではないかと思いました。不思議なことにその後家中を探しましたがどこにも蝉の姿がなく今日まで見つけられずにいます。

グリーンゲイブルズにはこの日二度訪れました。直訳すると緑の切妻屋根という意味だそうですが、その通りのとても住みやすそうな緑の屋根がある二階建ての家がありました。早朝行った時には人影もなく入り口も閉まっていて、南に面した広い芝生の前庭には朝日が差し込んでいました。この家で孤児院からやってきたアンは少女時代の数年間を暮らしたようです。二度目に行った時には入り口が開いていて、当時のままのベッドや家具調度などを見ることができました。壁際のハンガーにはアンが愛用したパフスリーブが吊るされていました。心臓の悪いマシューの部屋は一階、アンの部屋は二階の向かって左側にあって来客用の部屋と隣り合わせになっています。マリラの部屋は2階の北側にあったようです。



ルピナス咲く島

2016年08月12日 | スケッチ
朝早くからパソコンに向かって近くの林の中で鳴く鶯の声を聞きながらブログを書いています。猛暑が一段落した今朝、数日ぶりに鳴き声を聴きました。緑が多かった家の周りも木が切られてあまりいい環境でなくなってきているのですが、今年も律儀に春先からずっと来てくれています。

プリンスエドワード島に来る前は自転車をレンタルすればどこにでもいけるくらいの小さな島だと思っていましたがとんでもありません。広さが5660平方キロもあって愛媛県ぐらいの広さだそうで、とても自転車では回りきれません。
絵は朝の散歩中に見つけたルピナスの群落です。ニュージーランドで見損なったので絵にしてみたいと思いました。

アンの故郷プリンスエドワード島へ

2016年08月05日 | スケッチ
港からすぐにフェリーに乗船すると思ったらとんでもありません。ハリファックスからバスで延々と2時間30分も走ってやっとフェリーターミナルに着きました。さすがにカナダは広いです。18時45分にバスに乗ったまま乗り込みました。約1時間半後にプリンスエドワード島に到着しましたが、高い山が無く平べったい赤土の島というのが第一印象です。そのままキャベンディシュ村にある宿に直行しました。翌朝朝早く目覚めました。食事まではまだ2時間以上あるので付近を散策しました。絵はモンゴメリーの墓がある近くの道路です。アンがいた100年前にはなかった風景ですが横から差し込む朝の光が長い影をつくり絵にしたいと思いました。