ほんとに、奄美ってこんな感じ。
いいとこです。
大好き。
「2つ目の窓」68点★★★☆
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鹿児島と沖縄の間に位置する、奄美大島。
高校生の界人(村上虹郎)は祭の夜、
海に浮かぶ男の溺死体を発見する。
界人はその男に見覚えがあったが
ある理由から口を閉ざす。
いっぽう、界人と想い合っている
同級生の杏子(吉永淳)は
病床にある母(松田美由紀)と気丈に向き合っていたが――。
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河瀬直美監督の新作。
最近の河瀬作品は“女”(というか母とか血とか性(さが)とか?)の匂いがキツくて
正直、ちょい引き気味だったんですが
これはけっこうグッ。
監督の実はルーツであるという
“奄美”という舞台の力も大きいだろうけど
主人公たちが少年少女というのが一番の理由かな。
全体に大きな事件はなく、
無垢な存在たる少年少女たちが
“生き死に”の手触りを
豊かな自然と、生と死が身近に感じられる島で
自分自身の手で確かめていく、というイメージ。
その過程を
ドキュメンタリーふうのタッチで描き、
人の営みの生々しさを、
うまく体感に持っていってるなと感じました。
主人公・杏子の母親役ので松田美由紀氏が、
自らの魂を静かに“あちら”に返すシーンがいい。
そこでのおじいの島唄に、
気持ちより先に、ボロッボロと涙がこぼれました。
冒頭の
山羊を屠るシーンには「ウッ」と思ったけど
しかし、あの「魂の抜けて行く」感覚を、
これほどまでに視覚化してみせたのはすごい。
それは、やがて描かれる人の“死”の際の様子に
確かにつながっていくので
しっかりと、意味はありました。
★7/26(土)から全国で公開。
「2つ目の窓」公式サイト
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