タイトルが奇抜と言うこともあり、話題になっていた村上春樹の新作を読んでみました。
発売日に買うということはあまりないのですが、たまたま朝のニュースで見て、本屋で見かけたので思い切って買ってみました。
職場の飲み会で「村上春樹の新作を買ったよ」と言うと、同僚たちは「意外!」という顔を向けてきました。
「~さんは、村上春樹なんか読むんだ~」反応があまりにも良くなかったので、何とかこの土日で読んでしまおうと思いました。
“大学二年生の七月から、翌年の一月にかけて、多崎つくるはほとんど死ぬことだけを考えて生きていた。”
小説の書き出しは、いかにも村上春樹らしいものです。
主人公は多崎つくる36歳の独身男性です。
少年の頃からの駅好きが嵩じて、鉄道会社の駅舎の設計管理部門に勤めています。
名古屋で高校に通っていた頃、彼には赤松慶、青海悦夫、白根柚木、黒埜恵里という親友4人の親友がいました。
5人は、それぞれ性格も全く異なっていたが、まるで正五角形のように完璧な親密さを形成していたとします。
つくる以外の4人は、姓に色が入っています。
あだ名は「アカ」「アオ」「シロ」「クロ」。つくるだけ色彩を持っていなかったというのが、いかにも村上春樹らしい色彩が伴った作品です。
つくるだけが、東京の大学に進学することになります。
そのことが原因か、色がない自分、空っぽの容器のような自分だけが突然、二十歳を前に4人から絶縁状を宣告されます。
理由は全く思い当たりません。彼は、死を強く望むほどのショックを受けます。
でも、何とか死の淵から帰ることができます。でも、現実世界に戻ってきた時には、ほとんど別の人間と言ってもいいくらいの変貌(へんぼう)を遂げていました。
それ以来、16年間、彼はかつての親友たちと一度も再会していません。
でも、彼は、2歳年上の沙羅から、遠い昔の、5人組からの追放の真相を、今こそ確かめるべきだと勧められます。
こうして、多崎つくるの「巡礼」の旅が始まることになります。
こういった流れが展開されていきます。
でも、読み進むにつれて、登場人物たちに共感できない自分がいました。
登場人物のどの人物も田崎つくるの側から描かれていて、世界観も田崎つくるの側から全部描かれることになります。
土曜日の夜に全部読み終わりましたが、感想はやっぱり自分の世界観とは違うなということです。
読み進めたいという気持ちを持たすには優れた作品だと思います。
世界的に人気の作家ということは、確かなのです。
てということは、自分が世間の人たちと感覚が違うということになるのでしょうね。
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