とりあえず一所懸命

鉄道の旅や季節の花、古い街並みなどを紹介するブログに変更しました。今までの映画や障害児教育にも触れられたらと思います。

村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を読んでみました

2013-04-14 18:10:18 | 日記

タイトルが奇抜と言うこともあり、話題になっていた村上春樹の新作を読んでみました。

発売日に買うということはあまりないのですが、たまたま朝のニュースで見て、本屋で見かけたので思い切って買ってみました。

職場の飲み会で「村上春樹の新作を買ったよ」と言うと、同僚たちは「意外!」という顔を向けてきました。

「~さんは、村上春樹なんか読むんだ~」反応があまりにも良くなかったので、何とかこの土日で読んでしまおうと思いました。

“大学二年生の七月から、翌年の一月にかけて、多崎つくるはほとんど死ぬことだけを考えて生きていた。”

小説の書き出しは、いかにも村上春樹らしいものです。

主人公は多崎つくる36歳の独身男性です。

少年の頃からの駅好きが嵩じて、鉄道会社の駅舎の設計管理部門に勤めています。

名古屋で高校に通っていた頃、彼には赤松慶、青海悦夫、白根柚木、黒埜恵里という親友4人の親友がいました。

5人は、それぞれ性格も全く異なっていたが、まるで正五角形のように完璧な親密さを形成していたとします。

つくる以外の4人は、姓に色が入っています。

あだ名は「アカ」「アオ」「シロ」「クロ」。つくるだけ色彩を持っていなかったというのが、いかにも村上春樹らしい色彩が伴った作品です。

つくるだけが、東京の大学に進学することになります。

そのことが原因か、色がない自分、空っぽの容器のような自分だけが突然、二十歳を前に4人から絶縁状を宣告されます。

理由は全く思い当たりません。彼は、死を強く望むほどのショックを受けます。

でも、何とか死の淵から帰ることができます。でも、現実世界に戻ってきた時には、ほとんど別の人間と言ってもいいくらいの変貌(へんぼう)を遂げていました。

それ以来、16年間、彼はかつての親友たちと一度も再会していません。

でも、彼は、2歳年上の沙羅から、遠い昔の、5人組からの追放の真相を、今こそ確かめるべきだと勧められます。

こうして、多崎つくるの「巡礼」の旅が始まることになります。

こういった流れが展開されていきます。

でも、読み進むにつれて、登場人物たちに共感できない自分がいました。

登場人物のどの人物も田崎つくるの側から描かれていて、世界観も田崎つくるの側から全部描かれることになります。

土曜日の夜に全部読み終わりましたが、感想はやっぱり自分の世界観とは違うなということです。

読み進めたいという気持ちを持たすには優れた作品だと思います。

世界的に人気の作家ということは、確かなのです。

てということは、自分が世間の人たちと感覚が違うということになるのでしょうね。

 

 

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