季節はずれのインテルメッツォ(続)

音楽、文学、絵画、スポーツ、シェパード等々についての雑記帖。

オリジナル

2014年02月08日 | 音楽
音大の試験において連弾や二台ピアノ(大学では二台ピアノの方が多いと思われる)だと、オリジナルに限るという注意があったりする。

例えばブラームスのハイドンの主題による変奏曲はオリジナルとみなされる。ピアノ五重奏を二台ピアノにしたものもそう。

ではこれもブラームスの手になる交響曲4番の連弾は?これはオリジナルとみなされるだろうか?これになると連弾での演奏を生業にしている人たちはともかく、殆ど弾かれることはないだろう。オリジナルと見なされるのか、会議でも開かれるような気がする。

同様にメンデルスゾーンの「フィンガルの洞穴」の作曲者による連弾版もある。

こうした例は珍しいわけではない。仮に作曲家本人による編曲はオリジナルと見做すならば、これらは当然オリジナルである。

逆の場合だってある。「展覧会の絵」は一体何人の作曲家がオーケストラに編曲したことか。そしてムソルグスキー・ラヴェルといった記載で立派に通用している。

こうして見てみるとオリジナルに限るという縛りが、何とも珍妙なのだと思わざるを得ない。

昔から人気があったり立派な曲は、他の作曲家から編曲されてきた。ブラームスだってドヴォルザークの編曲をしている。幾らでも例はある。

オリジナルでも駄作はある。ベートーヴェンにもある。ドビュッシーの駄作に至っては気分が悪くなるほどだ。そうした曲を鹿爪らしく弾いたり聴いたりする方がよっぽど問題だろう。
コメント (5)
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