パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

驚愕の世論

2010-09-28 14:23:25 | Weblog
 日露戦争終結に怒った大衆が日比谷交番を焼き打ちした「日比谷交番事件」も斯くやと思わせる、尖閣諸島事件。

 私は,いったいどうこの問題を処理するのだろうと思っていたが、前原がクリントン長官から、尖閣諸島は安保条約適用範囲内という言質を取りつけた後、即座に船長を釈放したことを知って、いや、これはうまいことやりやがったな、もしこれが民主党政権のシナリオだったとしたら、ものすごい策士だと思うが、まあ、そんなことはありえない。

 これまでの自民党政府だったら、追い返していたところを、不慣れで捕まえてしまったミスを逆手に取っただけなのだが、こういうとっさの判断は、評価していいなと思ったところが,肝心の菅首相以下、「検察の判断を了とする」の一点張り。

 田原なんか、せっかくクリントン長官が尖閣諸島は日本の領土と実質的に言ってくれたのに、その直後に船長を釈放するなんて,長官も呆れているだろうと言い、その長官が、今回の日本政府の行動を高く評価していると聞くと、「アメリカは二枚舌だ」という始末。

 頭の悪い人には何を言っても通じないことの好例で、こんなのはほっとけばいいのだけれど、問題は、正しいことをしたとちゃんと言わなければ,正しいことも正しくなくなってしまうということ。

 バカ世論なんかは気にせず、敢然と、胸を張って、戦略の失敗にほぞを噛んでいるのは、実は中国政府と言えばいいのだ。