パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

瓦の小判

2013-01-27 03:43:33 | Weblog
 Eテレで、日本の財政赤字の話題を、どこかの大学教授が旦那さん、女装した又吉がその奥さんというシチュエーションで解説していた。

 旦那さん(日本政府)が、奥さん(日本国民)に8000万円の借金をしているが、旦那さんの月収は90万円で、40万円を奥さんに毎月返済しているという説明で、今後奥さんは旦那さんを信用しますか、疑いますか、拒否しますかというのだ。

 以前は、日本の国民が、一人当たり200万円近い借金をしているという解説で、それに比べれば、家庭内の借金という説明に変えたのは(私は、右のポケットが左のポケットから借りているという説明の方がいいと思うが)、一歩前進なのか、と思ったが、教授の説明は聞けば聞くほど、わからなくなる。

 実際に、「借金」をしているのは、銀行であって、日本国民の資産1400兆円は、その借金の担保と説明した方がいいと思うが。

 具体的には国の「徴税権」を担保にしているのだそうだが、1400兆円の借金というと、借金というからには、全額返さなければならないように思うが、実際には利子を返せばよい。

 詳しいことはよくわからないのだが、アメリカで、額面1000億ドルとかのコインを発行し、それで「借金」の利子分を払うというアイデアが検討されたことがあったそうだ。

 これは、政府紙幣の発行は、議会の承認などが必要だが、反対勢力が多いので、それは無理、ということで、議会の承認が不必要な「コイン」の発行で対処しようというアイデアらしい。

 これは決していい加減なアイデアではなく、スティーグリッツ教授か誰か、有名な経済学者の提案のはず。

 スティーグリッツ教授は、安倍の前首相当時か、その後の福田首相当時かもしれないが、日本政府から相談を受けて「政府紙幣を発行しろ」と提案したそうだから、あり得る話だ。

 昔々、江戸時代に、小判を改鋳して金の品位を下げた小判を発行して幕府の財政危機を救った切れ者がいて、彼のおかげで空前の「元禄時代の繁栄」がもたらされたが、この男は、「金の小判でなく、瓦の小判だっていい」と言ってのけ、新井白石に憎まれて失脚した。

 日本のマスコミは、この新井白石のようなものだろう。

 マクロ経済学で言う「貨幣論」というのは、むずかしくて、よくわからず、直感で判断するしかないのだが、多分、私の言っていることはそんなにちがってはいないはずだ。