パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

「文化ナショナリズム」の行方

2011-03-07 21:16:20 | Weblog
 細川厚労相が、3号年金受給者(専業主婦)の「救済」に関し、「知らなかった」と答弁し、窮地に立っている。

 「知らなかった」のは、「2年分を一括して収めれば、すべて収めたとする」という、厚生省の課長通達で、これはさすがにおかしいと、私も思う。

 私が言っているのは、「2年分を収めれば、適当な数式で計算した額を年金としてもらえる」というもので、「2年分を収めれば、すべて収めたとする」というのでは、さすがに、ない。

 さらに加えて前原辞任。

 にもかかわらず、さっぱり吹かない自民党への期待。

 そんなことを考えながら、ふと、目に入ったのが、ポール・ローマーというアメリカの学者の動き。

 ローマーは、ITソフトの事業で成功しているので、金銭問題に脅かされることなく、「好きなこと」をできる立場なのだそうだが、それで、やろうとしていることは、たとえば、中国における香港のような、一国内2制度の地域を「NGO」として「つくる」ことにあるらしい。

 ローマーの専門は「経済」らしいが、さすが、あちらの人はやること、考えることのスケールがでかい。

 いや、表現のしようがないので、「スケールがでかい」と書いたが、もはや、「国家(ナショナリティ)」の有効性が尽きていると見る、その視野は、やっぱり「スケールがでかい」。

 いずれにせよ、日本が「文化ナショナリズム」を脱却すべきところに来ていることは、わかっている人はわかっていると思う。

 日本が「文化ナショナリズム」に拘泥しているのは、実際には、それが危機に瀕しているからなのだ。