パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

「生活保護」のからくり

2011-03-02 23:51:01 | Weblog
 2、3週間前、「風に吹かれて」を、一時期籍を置いていたことのある某編集プロダクションに挨拶代わりに持参した際、かつての同僚と年金をめぐる話となり、私が、自分は無年金だと言うと、それはおかしい、そんなはずはないと言う。

 国民年金の場合、25年払わないと無資格になるが、厚生年金の場合はちがう、少しでもかけていたことがあれば、その分はもらえるはずだと言うのだ。

 その編集プロダクションは、従業員が3人ほどの小さな会社で、5人以下の事業所は厚生年金を払う資格があったりなかったりしたので、私が働いていた頃、厚生年金を払っていたかどうかはわからないが、他にも辰巳出版だの、つぶれたが、みのり書房で働いていたことがあり、私の記憶では、8年分くらいの掛け金は払っているはずなのだ。

 それで、みのり書房を辞めた時に相談に行った、世田谷の保険事務所に行き、自分に資格があるかどうか聞いたところ、「ない」と言う。

 同僚の話をすると、それは何かの勘違いでしょうと言う。

 厚生年金の場合は、合計20年、つまり240ヶ月分、払わなければならないが、私の場合、108ヶ月払っている。

 私の記憶より払っている期間は多かったが、それでも132ヶ月分不足というわけだ。

 その「不足分」は、国民年金でカバーすることになるが、私が昔、相談に行った時には「入らなくてもいいでしょ」と言われた。

 しかし、そんなことを言ってみてもしょうがない。

 少しでも、払った分を取り返すには「生活保護」を申請するしかない。

 そう思って、明くる日、生活を始めた川口市の相談窓口を訪れたが、これも失敗に終わった。

 何故かと言うと、「生活保護」を受けることの出来る要件というのがあって、それは、「明日から生活できない状況であること」である。

 しかし、実際に支払われるには一月前後かかるので、一月は生活できる金額が財布にないと、役所としては困る。

 この「二つ」が「要件」である。

 要するに無一文状態で相談に来られると、手続き上対応できず、困るので、家賃プラス数万円しか手元に現金がなくなったら、再度来てくれというわけである。

 驚いた。

 「生活保護」の多くが、いわゆる「貧困ビジネス」の格好の餌食になっていると言われるが、それもむべなるかなである。

 こんなのに、うまく対応できるのは、半ば「プロ」である。

 しかし、もっと頭にくるのは、年金の掛け金を払ったにもかかわらず、年金がもらえないということだ。

 何故か?

 そう「決まっている」だけの話である。

 もっとはっきり言えば、私の払った掛け金は、私に戻ってくるのではなく、その当時の老人たちに支払われたのだ。

 だったら、もっとはっきり、年金を「税方式」にすればいい。

 実際、「税方式」として、月額7、8万円の基礎年金を払うというのが民主党のマニフェストだが、これだと掛け金を払っている人に不公平になるという声がある。

 しかし、そんなのは、たとえば私の場合を言えば、108ヶ月分で108万円とすれば、それを5年とか10年間、「上乗せ」すればいいではないか。

 途中で死んじゃったら、「私の損」だが、それはしょうがない。

 そこまで文句は言いません。