パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

廻る廻る

2008-08-24 19:45:24 | Weblog
 なんで、完全に自信を喪失しているGG佐藤を指名打者にして守備の負担をなくさないのかと思っていたら、外野に代りがいなかったんだそうだ。

 GG佐藤は、元来守備は得意のほうなんだそうで、ライトからレフトに回されたとはいえ、文字通りの草野球なみのミスを四回も繰り返す(一回、ファウルフライを落としたらしい)とは想像できなかったかもしれないが、まさか三人で済むと思っていたのだろうか。

 ところが、ショートワンポジションに、四人いたんだそうで……。まったく信じ難いような人選ミスだ。いや、ミス以前。(アメリカでは人選には監督は関わらず、監督は与えられたメンバーでやりくりするのだそうだが、このほうが「情」がからまいので、合理的なのかもしれない。)

 スペアを用意していなかったという点では、女子マラソンの土佐選手の負傷棄権でクロースアップされたが、驚いたことに男子マラソンでも同様に、直前に怪我を告白して棄権、三人出場できるところが二人になってしまった。

 ということは、男子の場合も万が一の場合の予備選手は考えていなかったということのなのだろうか?

 きっとそうなのだろう。なぜなら、もしスペア選手がいれば、もっと早く「今回は無理かもしれない」と申告しておけば、次善の策を考えることができたにちがいないからだ。

 「次善」ではなく、「最悪」を受容せざるを得ないということは、やるべきことを何もやっていなかったということだ。(あまり他人の事は言えないが)

 前回のアテネでは女子マラソンのスペアは千葉真子選手だったんだそうだが、その千葉選手曰く、スペアとして直前まで練習し続けるのは精神的に無理なので、実際には「遊んでていいよ」みたいなことを言われたらしいが、仮にそうであったとしても、それまではハードな練習を重ねてきたわけで、好成績は望めないにしても、出場することはできるだろう。

 それはともかく、土佐選手の場合は、スペア選手はいたのだが、その選手も怪我をしていたとか、よく覚えていないが、何か理由があって、スペアゼロで大会に臨んだとか書かれていたが、今回の男子の場合はどうなのだろう? なんの言い訳もないところをみると、結局、土佐選手の場合も役員・関係者の怠慢だったのではないだろうか。

 競技役員の怠慢ということで言うと、例のスピード社の水着だ。

 以前、このブログに書いたのだが、本番でスピード社の水着を使わないことに決まっているのなら、予選でもスピード社の水着は禁止しなければならないのに、何故か予選では水着自由であったため、選考においてもっとも大事な「公平さ」が毀損されたのだ。

 このことは、まったく誰一人として指摘する人がいなかったが、結局、こういった「怠慢」が本番で噴出したのだと思う。

 しかし、いろいろごたごたしたにしては成績全般はまあまあで、結構、「感動」もあったのだが、これは、日本選手団の目標は、ロサンゼルスだかシドニー大会だかの終了時に、「2008年の北京大会を目指して強化に励む」と言うことで決まっていたのだが、その成果が意外に早くアテネ大会で出てしまったため、本来の目標であった今回はそのアテネ大会の財産で戦った形になってしまった結果だという。

 これはテレビで誰かが言っていたのだが、「なるほどな」と思った。

 ということは、ロンドン大会ではどうなるのかが心配になるが(私もまだ生きているだろう)、そんなことを考えると、東京大会が終った時、次のメキシコ大会を「ずいぶん先の話だなあ」と思っていたことを思い出す。

 今や、そのメキシコ大会は大昔の話となり、今は「目指せ、ロンドン大会」だ。

 ロンドン大会と言えば、日本、ドイツが戦犯国のために参加できなかった、戦後初のオリンピック大会を思い出す。

 なんだか、ニーチェの永劫回帰を目の当たりにする思いだ。