パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

「プレゼント下さい」

2007-05-30 19:31:01 | Weblog
 昨日はミスユニバースになった森理世さんを誉めたのだが、今日はカンヌ映画祭で賞をとった河瀬直美をけなす!

 なんだ、あいつは! 彼女の映画は見たことないので、何も言わないが、あの受賞の際の傲慢な態度はなんだ!

 とはいっても写真で見ただけなのだが、どのカットを見ても、謙虚さのかけらもない、得意満面といった表情で、心底呆れた。

 彼女の映画を見たことがないと書いたが、淀川長治が「映画になっていない!」と怒り心頭の文章を書いたことをはじめとして、「おもしろくない」という評判が数多(あまた)存在していることは知っている。
 昨日も、彼女の映画の先生が彼女についてテレビで喋っていたが、その発言内容は、つまるところ、「私は彼女の先生だったが、彼女に頭があがらない。何故なら、私は賞を取ったことがないから」といったもので、彼女の作品にはあまり触れていなかったように思う。

 それはともかく、河瀬直美自身は、自分の作品の評判が日本では芳しくないことを知らないはずがない。ということは、彼女のカンヌにおけるあのあからさまな得意満面、傲慢不遜な態度はそれが原因しているのかもしれない。

 しかし、そうは思うのだが、しかし、今日(5月30日)、帰国した彼女の第一声には驚いた。「うどん食べたい、プレゼント下さい」だ。5月30日は彼女の誕生日なんだそうだ。

 日本での不評判を、カンヌにおける受賞で見返してやった、と感じる気持ちは解るのだが、「プレゼント下さい」を聞いて、本格的に彼女はバカなんだと思った そもそも、彼女が演出している様子が全然頭に浮かばない。彼女の顔・表情から、知性のかけらも感じられないからだ。

 しかし、小栗康平の『死の棘』とか、タケシの『座頭市』がグランプリをとっちゃうなんて、ヨーロッパ人は何を考えているのだろう。ポストモダンの相対主義で頭がどうかなっちゃっているのではないだろうか。

 ちなみに、私はタケシ映画が嫌いというわけじゃない。あちこちで書き込んでいるが、『みんな、やってるか~』なんか、大好きで、ブニュエルの『自由の幻想』に匹敵する傑作ではないかとすら思っているのだが、そのブニュエルが神様であるヨーロッパでは、タケシ映画中、唯一、この『みんな、やってるか~』のみ不評なんだそうだ。

 もちろん、私こそ正しいのだなんて言う積もりはないのだが……わけがわからない。(やっぱりポストモダン思想のせいか?)