パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

三人の囚人

2007-05-20 23:01:03 | Weblog
 『3人の囚人』という、頭の体操クイズがある。ゲーム理論の世界では有名、というか、これがゲーム理論の基礎になっているんだそうだ。 

 《三人の囚人が居た。そこに所長がやってきて、こう言った。「ここに5枚の円盤がある。三枚は白で、二枚は黒だ。これをおまえ達の背中に貼り付ける。他人の背中は見ることは許されるが、話してはならない。自分の背中に貼ってある円盤の色がわかった者だけが、そしてその理由を論理的に正しく説明できた者だけが、釈放される」。こう言って、所長は三人の囚人すべてに白の円盤を貼った。

 結果は三人が同時に所長のところに来て、同じ理由を述べたたので、三人とも釈放された。

 彼らは所長に何と言ったのでしょう。》

 というもの。わかりますか? 答は以下の通り。


 3人の囚人を、A、B、Cとする。
 そのうちの任意の囚人、たとえばAは何を見るかと言うと、自分以外、「白」であることを見るが、自分が白か黒かはわからない。これが第一段階である。もちろん、BもCも同じ。

 第二段階で、もしAが、自分が黒であると仮定したらどうなるか?
 その場合、A以外、つまりB(あるいはC)の目には、白と黒が見えているはずであるが、その時、B(あるいはC)が、もし自分が「黒」であると仮定したら、黒が2枚、場に出ていることになり、しかるに、黒は2枚しかないのだから、B(あるいはC)が所長のもとに走り出さない限り、Aは、自分が「黒」だという仮定は誤り、すなわち、自分が「白」であると判断することができる。
 
 つまり、「3人同時に所長のところに走った」とは、実際の所、「3人とも動かない」ということを意味しているのだ。

 もちろん、私はこの答えを自力で……わかりませんでした。まして、こんな問題を考え出すなんて、世の中には頭のいい人がいるものだ、と感心するばかり。