Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

PEN LIFE586.  作法のない年配関東人

2013年02月26日 | field work
 旅の記憶が薄れないうちに書きだめ。
 今回の熱海の街の徘徊は、起雲閣までの往復とした。起雲閣は、1919年に東武鉄道創始者根津嘉一郎によって建てられた別荘である。その後買い取られ旅館として営業され、舟橋聖一、山本有三、志賀直哉、太宰治、武田泰淳、三島由紀夫などの文豪達が投宿した宿となり、現在は熱海市指定有形文化財である。
 池泉回遊式庭園の周囲に建築が取り囲むという特異な形態のため、背後に温泉旅館群の建築が姿を表すという珍奇な庭からの風景は、現代たる所以か。もう文化財というよりは、空中分解しかけているからなんだろう。現代人の美意識とはその程度か。
 文豪達が利用した和室が保存されており、少し往事をしのぶことができる。和室の入り口でスリッパを脱ぐのだけど、きちんと出口に向けてスリッパを揃えて脱いだのは私だけか。あとは乱雑に散らかっている。こういうところで、お里が出ますよと思っていた。
 そういう旅の恥はかき捨てという人々は、実は標準語を気取って話す関東人ばかりで、みんな私以上の年配者なのだった。関東人ってお体裁屋だよな。それに熱海って、作法のない年配関東人達の大衆歓楽地だと思った。
 古い老舗の定食屋でお昼を食べようとしたが、時間切れで終わってしまった。だからマクドナルドで遅いお昼、そして公衆浴場で温泉につかり、夕方の新幹線で帰った。熱海から京都迄こだま号で3時間さ。
  
熱海市,2013年2月24日
OLYMPUS PEN E-PM2,M ZUIKO DG 12mm/F2.0
ISO400,露出補正−1/3,f2.5,1/1000.
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