前案と同じ加味地黄湯加減治療ですが2003年の症例です。どのような組成でしょうか。
( )内に私のコメントを随時いれます。
医案に進みましょう。
患者:張某 十歳 女児
初診年月日:2003年12月31日
病歴:
顕微鏡学的血尿が4年間、尿蛋白2+、尿潜血±、RBC10~22個/HP
(尿潜血反応と沈渣RBCの乖離がまま氏の医案に出現します。)
初診時所見:腰痛 乏力 尿痛、舌質紅、苔薄白
中医弁証:脾気虚、腎陰欠乏の証
西医診断:慢性糸球体腎炎
治法:補腎滋陰、益気健脾固摂、清利湿熱
方薬:加味地黄湯加減:
黄蓍30g 太子参20g 熟地黄20g 山茱萸20g 山薬15g 茯苓15g 牡丹皮15g 澤瀉10g 知母10g 黄柏10g 亀板(滋陰潜陽、益腎健骨、養血補心)15g 女貞子15g 旱蓮草20g 烏梅炭15g 側柏葉15g 甘草10g 白花蛇舌草20g 瞿麦(活血利水通淋)15g 萹畜(利水通淋)15g
水煎服用 毎日2回に分服
(参耆知柏地黄湯加味であり烏梅炭は収斂止血、側柏葉は涼血止血、瞿麦と萹畜は排尿痛の対症療法であり、白花蛇舌草はやや弁病論からの配伍でしょう。)
二診:2004年1月14日
11剤服薬後、尿蛋白±、尿潜血±、WBC満視野/HP、RBC6~8個/HP、RBC6~8個/HP、セフトリアキソンNa セフェム系抗生物質の点滴静注3日後、尿WBC1~2個/HP、RBC30~35個/HP、尿潜血+、尿蛋白±。排尿痛あり、舌質紅舌苔白、脈細数。
(尿路感染は収まったが、血尿は悪化、それでも尿潜血は1+、排尿痛残存、はてどこかに本質が隠れていますが、、)
方薬:
黄蓍30g 太子参20g 石蓮子15g 地骨皮15g 柴胡15g 茯苓15g 麦門冬15g 車前子15g(はて、清心蓮子飲になりましたね。益気養陰清利湿熱です。)蒲公英30g 金銀花30g 連翹20g 天花粉15g