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慢性腎炎 知柏地黄湯(ちはくじおうとう)加減治療 張琪氏漢方治療2(腎病漢方治療284報)

2014-03-04 00:15:00 | 慢性腎炎 漢方治療

本日も、昨日に引き続き知柏地黄湯加減による慢性腎炎の症例報告です。

( )内に私のコメントを随時いれます。

医案に進みましょう。

患者某 42歳 男性

初診年月日:2005年8月15日

主訴:腰痛、軽重を繰り返すこと6ヶ月、ここ2ヶ月尿中(泡)沫有り。

病歴

半年前腰痛、乏力、頻尿を伴う。ここ2ヶ月尿に泡沫あり、時に腰痛あり、乏力。その前後にハルピン医科大学付属第二病院で検査を受け、尿蛋白3+、RBC30~40個/HP、慢性糸球体腎炎の診断を受け、黄葵カプセルの治療を受けたが無効。張琪氏の中薬湯を服用し、明らかな好転を見ず、その後、氏を受診した。

(付記、黄葵カプセルは中成薬で慢性腎炎治療薬であり、蛋白尿に効果があるとされ、1日15カプセルを5カプセルずつ日に3回服用し、8週間で1クールとしています。効果は清熱解毒利湿消腫です。)

初診時所見

腰痛、倦怠乏力、尿中泡沫有り、納可。舌体大、舌質紅、苔薄白、脈沈。尿蛋白3+、尿潜血2+、尿RBC50/μL、尿WBC2~3個/HP

腎陰欠虚、湿熱の邪を感受し、膀胱に下注、膀胱気化不利、故に尿中の泡沫を見る;腰は腎の腑、腎陰虚、腰失所養、故に腰痛が生じ;腎精不足にて周身を充養できず、即ち乏力を見る、舌紅苔白、脈沈は全て腎陰欠虚、湿熱内蘊の象である。

中医弁証診断:腰痛(腎陰欠虚、湿熱内蘊)

西医診断:慢性糸球体腎炎

治法:滋陰補腎、利湿涼血止血を主とする。

方薬:知柏地黄湯加味

熟地黄25g 山茱萸20g 山薬20g 茯苓15g 牡丹皮15g 澤瀉15g 知母15g 川黄柏15g 黄耆30g 党参20g 石蓮子15g 地骨皮15g 血余炭止血散瘀、補陰利尿)15g 棕櫚炭(収斂止血)20g 地楡炭涼血収斂止血)20g 貫仲(貫衆)(清熱解毒 止血)20g 枸杞子20g