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要薬(ようやく)考 No3 益母草 牛膝 乳香 没薬

2012-11-05 00:15:00 | ED

前稿までに要薬 

黄蓍 香附子 当帰  羌活 独活 夏枯草 龍胆草 滑石 丹参 何首烏 天麻 貝母 丁香14薬についてお話しました。

本日の漢方市民講座は引き続き「要薬No」と題し、益母草 牛膝 乳香 

没薬の4薬についてお話します。

益母草 やくもそう イームーツァオ 辛微苦 微寒 心肝膀胱 活血祛瘀 利水消に作用益母草は婦人科の要薬で、産後悪露を早期に綺麗にするために顆粒剤が使用されています)スライドをクリックすると拡大画像が出ます。

 Photo スライド1益母草

涼血祛瘀には 丹参 益母草 牛膝 王不留行(留行子)虎杖 鬼箭羽がありますが、特に益母草牛膝の比較が大切です

婦人科領域で涼血祛瘀薬=活血涼血薬を多く使用します。活血涼血とは、血熱が原因の血液循環の停滞である瘀血おけつ)を涼血作用によって改善することを意味します。

解りやすく考えれば、瘀血を除く作用をもつ生薬で、その薬性があるいはであるものが活血涼血薬であるといえます。寒性の代表が虎杖こじょう鬼箭羽グイジャンユ涼性の代表が益母草やくもそう丹参たんじん穿山甲せんざんこう平性の代表が王不留行おうふるうぎょう蘇木そぼくです。

牛膝ごしつ平性の活血薬ですが、補肝腎の補薬としての性質と引血下行という引経薬としての性質があるために、活血化薬の中では特殊な存在です。

蘇木そぼく


阿片 九仙散 真人養臓湯 ED

2012-10-30 00:15:00 | ED

Marilyn_monroe_coming_sunshine

Marilyn Monroe coming sunshine

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Robert De Niro in Once upon a time in <country-region w:st="on"><place w:st="on">

America

</place></country-region> 1984 [Chinese Opium house]

阿片 九仙散 真人養臓湯 EDが今回のキーワードです。

阿片戦争First Opium War, First Anglo-Chinese War

当時のイギリスは、茶、陶磁器、絹を大量に清から輸入しており、イギリスの大幅な輸入超過でした。イギリスはアメリカ独立戦争の戦費確保のため、銀の国外流出を抑制する政策をとりました。イギリスは植民地のインドで栽培したアヘンを清に密輸出する事で超過分を相殺ししようとしたのです。東インド会社は考慮の末に、植民地としていたインドでアヘンを栽培して、それを中国に輸出することを思いつきます。つまり、まずイギリス本国で製造された工業製品をインドに輸出し、インドからはアヘンを輸出し、中国から茶を輸入する、という三角貿易です。

清では、既にアヘンの輸入を禁止していたが、アヘンの密輸入は止まず、国内産アヘンの取り締まりも効果がなく、清国内にアヘン吸引の悪弊が広まっていきました。アヘンの代金を銀で決済したことから、アヘンの輸入量増加により貿易収支が逆転、清国内の銀保有量が激減し銀が高騰しました。清国1810 - 1820年には2600万ドルの貿易黒字 1828 - 1836年に3800万ドルの輸入超過

アヘン取締

道光帝は1838年に林則徐をアヘン密輸の取り締まりに当たらせました。東インド会社は個人貿易商などをダミーとして、引き続きアヘンの輸出を継続しました。林則徐は贈賄にも応じず、厳しいアヘン密輸に対する取り締まりを行う。アヘン商人たちに今後、一切アヘンを清国国内に持ち込まないという旨の誓約書の提出を要求し、イギリス商人のアヘンを没収、まとめて海水と消石灰による化学処理によって処分。なんと、アヘンの総量は


アンチエイジングの為の薬酒

2008-07-27 00:20:05 | ED

杜仲酒(とちゅう酒 トウチュンジュウ)

高血圧初期に、精力を使い果たして疲れきった肉体に杜仲酒がお勧め

材料

杜仲100g 氷砂糖200g 焼酎1リットル

作成方法

杜仲は料理用ハサミで細かく切った方が良い。よい杜仲の選び方は、杜仲樹皮を折り左右に引っ張ると内側にびっしりと銀糸が貼りついているものが上等である。パキンと簡単に折れてしまうものは下等品である。仕込んでから1月で服用できる。水か果汁で割って服用する。私個人の好みではラ フランスやル レクチェなどの洋梨や豊水などの和梨を食べる際に一緒に飲むのもいい。少し渋みがあるからである。

以前ブームになった杜仲茶は杜仲の葉を材料としているが、漢方薬として使用するのはあくまで樹皮である。杜仲エキスも市販されているが材料が純粋な樹皮であるかどうか疑わしい。従って、エキスの焼酎割りもチューハイ感覚では楽しいが、効果は疑わしい。

杜仲酒の効能

血液循環を改善し、衰弱した肝、腎の機能を高め、高血圧症の初期に特に効果がある。腰痛や膝の関節痛に効果があり、元気を増す。精根尽き果てた状態に服用すると、疲労の回復が早い。昔は精力の衰えた男性の強精剤として珍重された。男性機能の回復維持機能があるためである。

杜仲の薬効

性味は甘 温で帰経は肝、腎 効能は補肝腎 強筋骨 安胎である。

現代の整形外科学的応用として、続断(ぞくだん)独活(どっかつ)などと一緒に肝腎両虚による足腰の無力感に使用される。杜仲は中国では腰痛の要薬といわれている。調薬の方法により性質が変化する。塩水で加熱処理したものを炙杜仲あるいは炒杜仲といい補腎効果が増強される。他には蜂蜜で加熱し焦がし気味にする焦杜仲があるが、杜仲酒には調薬処理しないものを用いる。

中国の臨床現場、特に腎内科では腎虚の夜間頻尿や腰痛に対して牛膝10g+杜仲10g(以上1日量)の組み合わせが効果的とされ処方されている。牛膝、杜仲の補肝腎、強筋骨作用が協調されていると考えられる。また、腰痛には紅花(ベニバナ)を加味する場合も多い。

安胎(あんたい)とは、文字どおり胎児を安んずるという意味で、妊娠を正常に維持し、流早産を防止することである。補肝腎作用により安胎効果のある薬剤は杜仲の他に桑寄生、続断、菟絲子が有名である。

日本人は熱しやすく醒めやすい。杜仲茶ブームもあっさり消えてしまった。中国人は熱しにくく、懐疑的であるが、良いものは捨てずに継続する。杜仲酒もそのひとつだ。

アンチエイジング、ストレス外来 ガン外来

漢方治療のお問い合わせは下記URLより

http://okamotokojindou.com/ 

漢方専門医院 岡本康仁堂クリニック


FX 円高インポの治療経験

2008-03-09 03:57:56 | ED

A氏の円高インポ

最近は証拠金為替取引(FX)が盛んらしい。

昨年の暮れから始まった急激なドル安(円高)に日本は見舞われた。ドル安が一服して、クロス円が一時期上昇したものの、再びドルが103円台に突入し、再び100円を目指し急速にドル円が下落し、つられてユーロや豪ドル、ニュージーランドドルにも再び円高傾向が現れている。

Aさんは52歳、2年ほど前から証拠金為替取引を始めた。円安基調に支えられて一時は4千万ほど儲かったらしい。そんなA氏に米国のサブプライム問題に端を発した急激なドル安が襲いかかった。ちょうどA氏が仕事と遊びをかねて2007年暮れから2008年正月にかけて中国大連に遊びに行っていた時である。

中国の馴染みの女性と地方に遊びに行っていた時のこと、取引先の中国人から電話があり「すごい円高が始まったらしい。Aさん。テレビ見て」といわれ、その町では高級なホテルまですっ飛んで、台湾の衛星放送をみて驚いた。なんと年末113円台であったドルが急落し、14日の時点で108円台前半まで一挙に5円ほど円高が進んでいたのである。ユーロは約6円、豪ドルは約5円の円高である。A氏は一挙に100万ドル 120万ユーロ 100万豪ドルの建玉で1600万ほどの評価損失を食らったわけである。一抹の不安はあったものの、強い酒と美人の連れで頭が麻痺していたとA氏は今頃、反省している。

悪いことは重なるものである。女性と遊びに出かけた田舎町には氏はパソコンを持っていかなかった。ネット環境が不十分と聞いていたからだ。A氏はすぐに大連に引き返し、ホテルのビジネスセンターでコンピューターの前に息を切らせて座りこんだ。数時間も座り込んで全決済し1500万ほどの損失で食い止めたらしい。

A氏が帰国したのは17日である。ドル安は一服し、クロス円も回復するかに見え、ほっと胸をなでおろした。しかし、相場勘の狂ったA氏はその後損を重ねて累積損失が3000万ほどになってしまった。

A氏は元来、豪放磊落、たくましい体型で、アルコールは強く、女性好きであるものの、子供の面倒見がよく、家庭では「立派なパパ」「良き夫」「良き息子」である。14歳年下の奥さんは近所でも評判の美形である。

そんなA氏が頭を抱えて尋ねてきた。ここ2ヶ月以上完全に不能になってしまったという。「何とかならないの?これじゃ踏んだり蹴ったりだわ。酒もまずいし」と元気がない。「それにしてもバーナンキてのは馬鹿野郎だ」と、クマを作った目をぱちぱちさせぶつぶつ言っている。

金の心配をしている限りインポは続く

A氏とは以前、一緒に返還後間もないマカオに行った事がある。サイコロ賭博で、数が大小の簡単な賭けをして双方ともに日本円で20数万勝ったことがある。

そこで私は彼に言った。

「一回100万円賭ける丁半ばくちを30回やって30連敗したらちょうど損失が3000万になる。それはありえないだろうさ。でもな、ありえないことが起こったんだから、ツキが回ってくるまで一時休憩だわな。やめい。今すぐ。」

A氏はまだ利益が少しでも残っている状態で、スパッと止めた。この辺は、見事である。

 私の助言はおかしな理屈ではある。「一回100万円ずつ賭けて、20連勝の後で50連敗した。」とも言えるし、「5連敗の後で2連勝を10回繰り返した」とも言えるからである。要は説得力の問題である。「100万円30連敗」のほうがずしりと来るのである。サイコロ賭博で言うならばの話である。

虚労不得眠には酸棗仁が効く

 疲れているのに眠れないのである。金の心配をしているからだ。スパッと取引を止めた後もしばらくA氏は眠れない日が続いた。つまり悔しいのである、悔やむのである。したがって後悔と言う。こういう精神状態のときに眠れないのを古来中国では「虚労不得眠」といい、酸棗仁湯が効くとされている。私は酸棗仁と延胡索のエキス粉末をA氏に処方した。その晩からいびきをかいて眠れるようになったと氏の細君から電話があった。

肝気鬱結を改善すればインポは治る

 気の流れをつかさどるのは肝である。ストレスが重なると肝の気をつかさどる機能が失われ気滞が生じる。これを肝気鬱結あるいは肝鬱気滞という。気の血を推動する力が失われれば当然勃起は不十分となり、淤血も生じる。氏には柴胡 枝核 橘核 郁金 紅花 香附子 牛膝 川芎 白芍 を煎じて1週間服用させた。方剤でいうなら柴胡疏肝散と血府逐瘀湯の合方加減である。

腎陽気を補えばさらに性欲は生じる

 前方を服用して4日目から、仙茅 仙霊脾 菟?子 紅景天 冬虫夏草を3日間服用させた。

かかる治療の結果、服用開始から1週間でA氏のインポは完全に治ったのである。 

以前に何かの書籍で真偽はともかく、強制収容所でも性欲は保たれるという記述を読んだことがある。「命をとられるほどのことでもない金の心配」で完全不能になってしまうとは、、。 「セックスは神にも通じる」と30年ほど前に親友の一人が医師当直室で話していたのをふっと思い出した。

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ドル円相場 A氏をインポにさせた年末からの急激な円高


早漏 EDの漢方治療:四逆散加味

2008-02-11 04:32:39 | ED

四逆散は漢方古典の「傷寒論」の少陰病に記載される方剤である。

組成は柴胡 枳実 白芍 炙甘草の4薬である。気薬としての柴胡は疏肝理気に、血薬としての白芍は和血養陰に、上行の柴胡と理気に働く枳実は下行に対をなし気机調整に働き、炙甘草は諸薬調和に働き、全体として調和肝脾の作用を持つ。また白芍と炙甘草は緩急止痛とともに、酸甘化陰で柴胡の傷陰を間接的に防止すると説く学派もある。

 肝は血を蔵し(陰を蔵し)、疎泄(気-陽)を司る

 肝は体陰であり、陽を行う 「体陰用陽」の漢方基礎理論がある。

つまり、肝郁による四逆(陽虚、陽郁を意味する)、陽郁のために経絡に陽気が供給されないので、手足の外側部分が冷たい。脈は弦である。

面倒な漢方理論よりも、最近の症例から早漏やEDの具体的な話をしよう。

44歳のエンジニアで、普段は健康で健診で異常を指摘されたことはなかったが、昇進を期に忙しい時期が半年ほどあり、その後EDと睡眠障害が半年ほど続き、

心療内科で睡眠薬、抗うつ剤、泌尿器科でバイアグラなどを処方してもらってから、幾分の改善を見たものの、仕事のストレスが重なるにつれ再び症状が悪化し、来院された。

悪化してからは、以前週に2回はあった夫婦生活も、月に1度あるかないかになり、勃起も不十分で、挿入困難であるに加え、2分以内に快感も無く射精してしまうと言う。手足は冷たいが、髪は黒々としており、歯も健康そうであり、とても腎虚や腎精不足は感じられない。

漢方診断は肝気鬱結(肝郁)、陽事不用(ED)である。治療は疏肝解郁、安神定志であり、四逆散に香附子、川芎、遠志、真珠粉、蜈蚣を加味し、減煙を薦めた。

20日後に再診されたときの表情が全てを語っていた。

不眠傾向が改善し、性欲が増し、勃起不全が改善されたとのこと。

更に20日後、諸症はことごとく消失した。もちろんバイアグラのお世話にはなっていない。

現在は煎じ薬を中止してエキス剤の逍遥散で再発はない。

ちなみに逍遥散は肝郁血虚脾弱証に使用される方薬であり、組成は

柴胡 薄荷 茯苓 白朮 当帰 白芍 である。

経験的に、女性の生理前の乳房張痛がひどい場合の生理痛などに、特に効果がある。