A picture of Chinese modern oil painting without signature.
中国建国が1949年であったことを記憶しましょう。
上の絵画じゃ女がいるのかどうか知りませんが、右端の左顔面が見える人、髪型から女かな、帽子をかぶっていない人物です。ともかく4人です。帽子をかぶっているのが男性3人。左奥のチャイニーズレッド~オレンジ~ライトバンダイキブラウンの広告灯と更に奥のピンクレッドのそれも画面を引き締め、同時に遠近画法を成立させています。中国には何度も各地に行きましたし、上海には二年余住みましたが、湾曲のある一枚張りの大きなガラス窓は見たこともありません。そもそも、あったとしても、通常は、そのガラス窓には内側からいろいろな紙やシールが賑やかに飾られていたから、なにも貼られていない大きなガラス窓を見逃したかも知れません。
1942年作 米国 Edward Hopper 原題 Nighthawks 類似点多いですね。
Hopperの絵に登場するのも4人です。3人の男性が帽子をかぶっています。後ろ向きに背中を見せる男性ひとり、構図もそっくりですね。路上には誰もいない。
人物のサイズとぐるりと湾曲したガラス窓の対比を比較すると、中国のガラスがはるかに大きいとわかると思います。
しかし中国の絵画では天井の角度の延長線は建物の奥行きにたどり着くまでに地面にあたりそうです。各店舗が別々に天井の角度を変えればいいのでしょうが。
さて、Hopperに戻りまして、 左のオレンジ~ライトバンダイキブラウン色のビルの側壁は4人がいるところから洩れた反射光を意味します。少し奥の斜め60度の壁の「ホワイトの反射光とショップのガラスのおそらくはライトブルーで、透過して見える反射光」は、光源が手前の4人がいる場所の画面上になく、その上部に存在していることを想像させます。このショップの看板は光を直接反射していません。 加えて、上から射す光によるショップ自体の影の幅が小さいことから、光源の上部説(思考実験のドクター康仁説)は正しそうです。
さらなる思考実験として、Edward Hopperのこの絵画を、中心軸を女性の左隣の男性ぐらいに置き、水平に右(反時計回り)に回転させると上の中国絵画のような構図になるかというとそうでもありません。カウンターの角度からざっと計算しても90度の回転でも上の中国絵画のような広告灯や路上の反射光による水平な遠近法は出てきません。(中国店の左にあるような路面がまっすぐに見えないはずです)
してみると、上の中国絵画はショップのある建物の底面が左から末広がり、かつ右下がり、建物が建っている土地は奥行きが上りの形をしていることになってしまうのです。ちょうど右下がりの鈍角三角形の角地の上に建てたような印象です。それにしても、別部屋への通路の角度はほぼ建物左側面と平行ですから、鈍角三角形なら斜辺(向こう側)に抜けてしまいますので、右下がり奥行き上がり(手前下がり)の平行四辺形の底面を持つ建物かもしれません。
似て非なる の語源は「孟子」の尽心下です。「ちょっと見たかぎりでは似ているが、実際は全く違う」意味でありますが、「非にて似ている」のか、上の絵画は区別しにくいですね。
もともと油絵は欧米のものですし、伝統的な水墨画などの中国画法と異なります。ものの捉え方が異なるのでしょう。同じ視点では解釈が出来ないのかも知れません。
そういう訳でして、漢方講座の主題は何にしましょうか?虚無感、けだるさ、い(ゆ?)きずり、なんとなくの偶然の遭遇、じゃしょうがないから、ま、「女」のつく「生薬」の話にしましょうか。
本日の「漢方市民講座」 女性に喜ばれる女貞子
女貞子(中国名 ニューゼンズ 和名 ジョテイシ 帰経 肝腎) 旱蓮草(中国名 ハンリアンツァオ 和名 カンレンソウ)上記2薬は二至丸(中国名 アールジーワン 和名 ニシガン)の生薬であるので、略記します。ともに補陰薬ですが、旱蓮草は補陰作用と止血作用を併せ持ちます。女貞子の意味は女性と子供という意味です。何首烏と女貞子の効能の共通点が髪を養うことです。ですから、女性には人気のある生薬です。婦人科領域の生薬です。
女貞子の婦人科的用法は肝腎両虚の更年期障害です。
二至の意味とは、夏至と冬至の二至を意味し、夏至に採取された旱蓮草(ハンリアンツァオ)(墨旱蓮モーハンリアン)と冬至に採取された女貞子が良質とされます。もうすぐ旬の女貞子が収穫されます。
女貞子の副作用は腸の蠕動促進による下痢ですが、温脾あるいは渋腸止瀉薬が同時に配合されるので問題はありません。
旱蓮草は滋陰益腎、涼血止血に作用します。
月経周期経法とは?
月経の陰陽のリズムを正常化するものです。生理不順を正常化させる目的を持ち、主として不妊症の治療法です。
子宮内膜を増殖し成熟卵胞を育てる使用する漢方薬剤とその作用
生理期: 1~4日
活血薬と理気薬を併用して、子宮内の血液を残存無くきれいに排出させる。
使用生薬以下
当帰 熟地 赤芍 川芎 桃仁 紅花 益母草 鶏血藤 川牛膝
香附子 枳壳(木香 烏薬 行気止痛)
低温期: 5~11日
補陰血薬を中心に少量の補陽薬を併用して、
党参 熟地 白芍 何首烏 女貞子 麦門冬(補陰血剤)
菟絲子 山茱萸 (補肝腎剤) 巴戟天 (補陽剤)
排卵期: 12~16日
補精薬と活血薬を併用して、排卵をスムーズにする。
促排卵方を使用する
当帰 熟地 白芍(補血活血)巴戟天 仙霊脾(補陽)
女貞子(補陰)香附子(理気)菖蒲(開竅)桂枝(通陽)
高温期: 17~28日
補陽薬を中心に少量の補陰血薬を併用して、受精卵を子宮内に着床させ妊娠を継続できるようにする
黄体期方を使用する
黄耆 白朮 准山薬(補気健脾)仙霊脾 巴戟天 鎖陽
菟絲子(補陽)女貞子(補陰)
子宮内膜前癌病変の漢方治療にも用いる場合もあります。
「今のところは心配ないが、将来癌になる恐れがある」といわれる病態です。このような時に、あわてて子宮を取り除くなどの手術は必要ないとする中国漢方医学誌の報告があります。
当帰 三棱 桃仁 夏枯草 香附子 王不留行 生牡蠣 莪朮 天葵子 続断 田七粉を中心にする漢方治療です。気虚体質には党参 黄耆 五味子を加味し、腎陰虚証があれば女貞子 旱蓮草 杜仲 桑寄生を加味し、(中略)45例の治療結果は有効率89%と報告されています。もちろん定期的な細胞診は必要です。
(新中医2002(2)44中西医結合阻断子宮内膜前癌病変45例分析より)
子宮頸部前がん状態と子宮頸がん初期の漢方治療にも使用されます。
女貞子だけでは抑癌効果はありませんので清熱解毒薬である半枝蓮 山豆根 半辺蓮 穿心蓮 七葉一枝花 白花蛇舌草などの抗癌活性を持つ生薬(利湿抗癌薬)と配合して使用します。煎じ薬の他に、直接的な効果を狙った漢方抗癌生薬抽出液をタンポンガーゼで膣奥内に一晩留置する方法などもあります。
やはり免疫力の強化は最大のがん予防の方策です。
簡単なサプルメントだけでは免疫力は増強しません。数千種類の生薬から発見された、免疫力を増強させる、特に「補気薬」が重要視されてくると思います。
他に中国での売薬(市販薬、中成薬とも言います)、いろいろありますが、
簡単に
安神補心丸(あんじんほしんがん)
製造元:上海和黄薬業
成分:丹参、五味子、石菖蒲、合歓皮、墨旱蓮、女貞子